2020年に新たなスマートフォンメーカーが日本市場へ参入する。その名は小米科技(シャオミ)。ハイテク企業が集中し「中国のシリコンバレー」と呼ばれる深圳ではなく、政治都市の北京に本社を置く珍しい企業だ。スマートフォン(スマホ)やスマートウォッチなど、コンシューマー(一般消費者)向けの通信デバイス(端末)に強い。世界シェアは9.7%と4位。3位アップル(世界シェア10.1%)の背中が見えてきた。

スマートフォンの出荷台数世界シェア(2019年4~6月期)米IDC調べ
メーカー名 国籍 シェア
サムスン電子 韓 国 22.7
ファーウェイ 中 国 17.6
アップル 米 国 10.1
シャオミ 中 国 9.7
OPPO 中 国 8.9
その他
31.0

高機能機の量産・低価格販売の「少数精鋭」主義

シャオミは2012年4月、中国大手のソフトハウス(ソフトウェア開発会社)であるキングソフト(金山軟件)の最高経営責任者(CEO)だった雷軍氏が辞任後に、グーグル中国工程研究院の副院長だった林斌氏、同中国高级产品の経理だった洪峰氏、モトローラ北京研发中心の高級総監だった周光平氏、北京科技大学工業設計学部の主任だった劉德氏、金山词霸の元総経理だった黎万強氏、マイクロソフト中国工程院開発の元総監だった黄江吉氏の6人で立ち上げた。

創業当時のシャオミがロールモデル(具体的な行動や考え方の模範となる手本)としたアップルは、家庭用テレビゲーム機を手がける米アタリ社員だったスティーブ・ジョブズ氏と米ヒューレット・パッカード(HP)社員のスティーブ・ウォズニアック氏という現場のエンジニアが立ち上げた。これに対してシャオミは「超エリート集団」が設立した企業といえる。

中国の後発スマホメーカーは、低機能ながら破壊的な低価格の製品で新規参入を図るケースが多い。同社は2011年にアンドロイドOS搭載機の「MI-One」を、翌2012年には「MI-2」を投入。新製品を年1機種に絞り込んで大量生産することで、高機能とそこそこの低価格を実現した。

これは米アップルの商品戦略と同じ。この製品戦略が大当たりし、2014年(1-12月)の中国シェアはシャオミが12.5%と、韓国・サムスンの12.1%を抑えてトップに躍り出る。