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【ホンダ】有力子会社の相次ぐ売却は「EVシフトの一里塚」

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ホンダのM&Aは「EVシフト」がカギ

EVシフトには多額の資金が必要だ。ホンダは2022年8月に100%子会社のホンダロック(宮崎市)をミネベアミツミ<6479>に売却した。八千代工業の燃料タンクと違い、ホンダロックが製造するキーシステムはEVでも利用される。ガソリン車の生産を停止しても必要となる部品だ。それにもかかわらず売却したのは、EVシフトの資金を調達するため。

一方、一旦は売却した日立Astemoの持ち分を2023年3月に日立から買い戻し、40%に引き上げた。日立の持ち分はホンダと同じ40%に下がり、新たにJICキャピタルが20%を保有することになった。これは日立Astemoが持つコネクテッド、自動運転、電動化の技術の重要度が、世界的なEVシフトの波によって予想以上に早く必要になったのを受けての措置だ。

ホンダは2022年3月にソニーグループ<6758>とEV事業での提携を発表。2025年に共同開発したEVの発売を目指す。同9月には両社折半出資のソニー・ホンダモビリティ(東京都港区)を立ち上げた。

さらにホンダは2020年7月に中国車載電池メーカー大手の寧徳時代新能源科技(CATL)へ1%出資している。子会社の売却にアクセルを踏み込んできたホンダだが、これからはEV関連企業の買収に乗り出す可能性が高い。ホンダのM&Aは、EVシフトと共にある。

ホンダの量産型EV「Honda e」
ホンダの量産型EV「Honda e」(同社ホームページより)

文:M&A Online

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