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ファンドが「東京機械製作所」の支配権取得に向け買い増し、2021年8月の大量保有報告書
M&A Online編集部が大量保有データベースで2021年8月の大量保有報告書の提出状況を調べたところ、アジアインベストメントファンドが東京機械製作所の株式を4度買い増し、保有割合を38.64%にまで高めたことが分かった。
列車の発着時間などを検索できる「乗換案内」を運営する駅探<3646>が、M&Aで事業領域を拡げている。
同社は2021年4月にスマートフォン向けインフィード広告(SNSやニュースサイトでコンテンツ中に表示される広告)を手がけるサークア(東京都千代田区)を子会社化したのに続き、2022年11月にはインターネット広告代理事業のプラウドエンジン(東京都新宿区)を子会社化する。いずれも広告配信事業の拡充が狙いで、2024年3月期に向けてさらなるM&Aを計画している。
同社は乗換案内から地域の情報を提供する媒体に事業転換することを、会社の目指す方向と定めている。2021年からの2件のM&Aをはじめ、今後予定しているM&Aはいずれもこの方向に沿ったもので、着実に歩を進めていることが分かる。
2024年3月期の売上目標は59億円。2022年3月期の28億9100万円からは、2年間で倍増という強気の計画だ。M&Aが果たす役割は大きいそうだ。
駅探の旧社名は「駅前探検倶楽部」。駅前を探険するように、地域のサービスや情報を提供し、社会の役に立とうという思いが込められているという。東芝が1999年にドコモのiモードに乗換案内を提供したのが事業の始まりだ。2003年に、東芝から分離独立する形で創業した。2008年に現社名の駅探に変更、2011年に東京証券取引所マザーズに株式を上場した。
M&Aについては、これまでに4件の実績がある。2017年にチケットレス出張手配システムなどを手がけるビジネストラベルジャパンの株式を取得したのがM&A第一号。ビジネストラベルジャパンを傘下に収めることで、チケットレス出張手配サービスという新しいビジネスを手に入れ、事業領域を拡げた。
2年後の2019年には、旅行ガイドブック制作のラテラ・インターナショナルの株式を取得し、インバウンド向けセールスプロモーションサービスを始めた。駅探の月間1000万人が利用する乗換案内や大手を中心とする法人顧客基盤と、ラテラ・インターナショナルの強みである旅行会社店頭チャネルやガイドブックで培った情報収集力が補完関係にあり、両社が協力することで、事業領域の拡大が可能と判断した。
この後に、サークアとプラウドエンジンが続くわけで、この2件のM&Aでは、広告という新しい事業の拡充につながった。こうして拡げてきた事業は、現在どのような構成になっているだろうか。
年 | 駅探の沿革とM&A |
---|---|
1999 | 東芝でNTTドコモ iモードに乗換案内を提供 |
2003 | 東芝から分社化し、駅前探険倶楽部を設立 |
2008 | 社名を駅探に変更 |
2011 | 東京証券取引所 マザーズに株式を上場 |
2017 | ビジネストラベルジャパンの株式を取得し、チケットレス出張手配サービスを開始 |
2019 | ラテラ・インターナショナルの株式を取得し、インバウンド向けセールスプロモーションサービスを開始 |
2021 | サークアの全株式を取得し、広告配信領域に事業を拡大 |
2022 | 東京証券取引所グロースに移行 |
2022 | インターネット広告代理事業のプラウドエンジンを子会社化(11月の予定) |
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M&A Online編集部が大量保有データベースで2021年8月の大量保有報告書の提出状況を調べたところ、アジアインベストメントファンドが東京機械製作所の株式を4度買い増し、保有割合を38.64%にまで高めたことが分かった。