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【ホンダ】有力子会社の相次ぐ売却は「EVシフトの一里塚」

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またもホンダ<7267>がサプライヤー戦略で自動車業界を震撼(しんかん)させた。7月4日に燃料タンクを手がける子会社の八千代工業<7298>を印サンバルダナ・マザーソン・グループへ売却すると発表したのだ。ホンダは165億円をかけてTOB(株式公開買い付け)を実施し、八千代工業に対する持ち株比率を現在の50.4%から100%へ引き上げる。

創業者同士の付き合いがあった子会社を売却

上場廃止後に、マザーソンのオランダ子会社に八千代工業株の81%を190億円で売却し、残る19%をホンダが引き続き保有する。ホンダは併せて八千代工業の子会社で二輪車部品を製造する合志技研工業(熊本県合志市)株も取得し、95%を出資して子会社化。二輪事業の生産効率化を目指す。

八千代工業の売却が業界を驚かせたのは、ホンダとの深い関係があるからだ。1950年代に八千代工業の創業者である大竹栄一氏がホンダ創業者の本田宗一郎氏と意気投合して取引が始まって以来、燃料タンクやオープンカーの「ビート」や乗用車の「トゥデイ」をはじめとする軽自動車の受託生産などを引き受けた。

軽自動車の受託生産は2018年にホンダに事業譲渡したが、燃料タンクとサンルーフ、二輪部品などを供給する主要サプライヤーであることに変わりはない。その八千代工業があっさりと、しかも外国企業に売却されたのだ。しかし、その予兆はあった。

2019年10月30日、ホンダは日立製作所<6501>との間で傘下の自動車部品メーカー4社を合併させると発表したのだ。ホンダが筆頭株主だったケーヒン、ショーワ、日信工業の3社にTOBを実施して完全子会社化。そのうえで日立の全額出資子会社である日立オートモティブシステムズ(茨城県ひたちなか市)が3社を吸収合併した。

統合会社となった日立Astemoへの出資比率は日立66.6%、ホンダ33.4%。TOBで完全子会社化したうえで、他社へ譲渡するスキームは八千代工業と同じパターンだ。

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