ミネベアミツミは29日、コネクターメーカーの本多通信工業に対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買付代金は最大約162億7400万円。ミネベアミツミは祖業のベアリングをはじめとする中核事業の一つとしてコネクターを位置付けており、この分野の大手を傘下に取り込み、事業拡充を目指す。本多通信の筆頭株主で21.67%を所有するパナソニックホールディングス(HD)とはTOBへの応募契約を結んだ。本多通信はTOBに賛同している。
買付価格は1株につき705円で、TOB公表前日の終値576円に22.4%のプレミアムを加えた。買付予定数の下限は所有割合66.67%にあたる1538万9300株。上限は設けていない。買付期間は8月1日~9月12日。決済の開始日は9月16日。公開買付代理人はSMBC日興証券。
本多通信は1932年に精密ネジ加工の本多螺子製作所として創業。1999年に店頭市場に株式を登録し、2001年に東証2部に上場。2008年に松下電工(現パナソニックHD)と資本提携し、翌09年に同社の持ち分法適用関連会社となった。2016年に東証1部に昇格した(2022年4月に東証プライム市場に移行)。