メルカリ<4385>は2020年2月4日、NTTドコモ<9437>との業務提携で合意したと発表した。スマートフォン(スマホ)決済サービスの「メルペイ」(利用者600万人、加盟店170万カ所)と「d払い」(同2200万人、同136万カ所)の電子マネー残高とポイント残高、ポイントなどの相互利用が可能となる。事実上の「スマホ決済サービス統合」だ。

メルカリの狙いは「スマホ決済生き残り」

メルカリがドコモと組んだ理由は明白だ。スマホ決済での生き残りである。メルカリはこれまでスマホ決済のパートナーとは「全方位外交」で臨んできた。2019年9月にはメルペイがLINE<3938>の「LINE Pay(ペイ)」、ドコモ、KDDI(au)<9433>と共同でキャッシュレス普及のための業務提携を発表している。

しかし、豊富な資金力を武器に一気にライバルを引き離しにかかる「PayPay」は容赦ない。LINE、ドコモ、auとの共同戦線で構築した「PayPay包囲網」も、ソフトバンクグループ<9984>子会社のZホールディングス<4689>によるヤフーとLINEの経営統合で空中分解した。

メルカリはスマホ決済スタートアップのOrigami(オリガミ)を買収するなど、規模拡大による生き残りを模索している。だが「PayPay」の急速な拡大に、自社単独で対抗するのは難しい。そこで「d払い」で多くのスマホ決済ユーザーを擁するドコモとの相互乗り入れにより「PayPay」に対抗する。

2020年1月時点での「PayPay」の利用者数は2300万人、加盟店は185万カ所。単純合計ではメルペイ・d払い連合」が利用者、加盟店共に上回るが、ユーザーや加盟店には重複もある。このまま「メルペイ」「d払い」がバラバラに存在するようでは、消費者がサービスを選ぶ際に大きな影響を及ぼすブランド力で「PayPay」に勝てない。

スマホ決済で決定的な「首位固め」をするには、事業統合や資本提携が避けられない。これについてメルカリの山田進太郎最高経営責任者(CEO)は「現時点では考えていない」とする一方で、「進捗を見ながらあらゆる可能性を探る」と完全に否定はしなかった。ドコモの吉澤和弘社長も「(資本提携を含め)さまざまな可能性はあるが、現時点ではない」と含みを残している。