吉野家ホールディングス(HD)<9861>が好調だ。牛丼事業の「吉野家」の2019年12月の既存店の来店客数が前年同期比110.8%となり、8月の同110.3%を上回り、今期(2019年3月-2020年2月)で最も高い伸びとなった。 

上期(2019年3月-8月)の来店客数の伸び率が同102.6%だったのに対し、消費税率が引き上げられた10月に実施した「牛丼・牛皿全品10%オフキャンペーン」の効果などで来店客数が増加し、下期(2019年9月から12月までの4カ月間)の伸び率は同105.1%に達した。 

10%オフキャンペーンに伴う客単価の低下などの現象が見られるものの、客数増加効果が大きく、売上高の伸び率も上期の106.9%から下期は108%にアップしている。 

赤字のアークミール売却で利益改善へ 

こうした状況を踏まえ、吉野家HDでは2020年2月期の業績予想を上方修正した。売上高は当初予想比3.4%増の2150億円(前年度比6.2%増)、営業利益は同3.6倍の36億円(同34.6倍)に急回復する。 

牛丼事業の「吉野家」のほか、うどんの「はなまる」や、持ち帰りすしの「京樽」なども好調に推移しており、2020年2月期第3四半期(2019年3月-11月)は売上高、セグメント利益ともに大きな伸びになった。 

「吉野家」は前年同期比7.6%の増収、104.4%の増益、「はなまる」は同6.2%の増収、90.1%の増益、「京樽」は同3.6%増収、89.2%の増益といった具合だ。一方、2020年2月末に安楽亭に譲渡予定のステーキレストランの「アークミール」は同1.6%の減収で、セグメント損益も4億8200万円の赤字となった。 

吉野家HDは営業利益を大幅に上方修正したものの、業績立て直しのための構造改革関連費用やアークミールの株式譲渡の影響を精査中として、当期純利益は1億円を据え置いた。

2021年2月期は赤字の「アークミール」が連結対象から外れることもあり、一層の利益改善が見込めそうだ。

【吉野家HDの2020年2月期第3四半期のセグメント概況】

  吉野家 はなまる アークミール 京樽 海外
売上高(億円) 821.19 232.97 148.28 210.52 165.14
前年同期比+7.6% +6.2% -1.6% +3.6% +4.7%
セグメント損益(億円) 44.2 12.86 △4.82 2.52 8.71
前年同期比
+104.4% +90.1% +89.2% +48.5%

文:M&A Online編集部