仏ルノーが2020年1月28日、最高経営責任者(CEO)に独フォルクスワーゲン(VW)傘下にあるスペインの自動車メーカー、セアトのルカ・デ・メオ(Luca de Meo)前CEOを同7月1日付で起用すると発表した。ルノーのCEO職は2019年10月に辞任したティエリー・ボロレ氏以来、空席だった。

ルノー、トヨタ、VW、FCAを知る男

デ・メオ次期CEOはイタリア出身で、ルノーのほかトヨタ自動車<7203>やルノーとの合併が破談となったイタリアのフィアット(現・フィアット・クライスラー・オートモービルズ=FCA)、VWグループのマーケティング責任者などを経て、2015年にセアトCEOに就任した。セアト時代にSUV(スポーツ用多目的車)の投入などの商品力強化により、2019年には過去最高となる57万4000台の販売実績をあげている。

日本車メーカーに勤務した経験もあり、日産自動車<7201>との関係改善に期待する声もあるが、おそらくデ・メオ次期CEOの眼中に日産はない。ルノーが日産株を放出する可能性が高まっており、デ・メオ体制の下で日産との関係は「清算」の方向に向かうだろう。

日産は米国や欧州などの事務職社員4300以上の人員削減を断行するが、リストラ経費により2020年3月期決算は赤字に転落する可能性が高い。ルノーとしては、それが明らかになる前に日産株を有利な条件で放出したいだろうし、出資比率を引き下げることにより連結決算で日産に足を引っ張られる影響を弱めたいだろう。