TAKARA&COMPANY<7921>傘下の宝印刷は3年後をめどに、VDR(バーチャル・データ・ルーム)の日本国内でのシェアを50%に高める。同社では現在のシェアを20%-30%としており、3年間で2倍ほどに引き上げることになる。 

同社は有価証券報告書やアニュアルレポートなどの印刷を通じて、日本の上場企業の半数と接点がある。このパイプを活かしてM&Aのデューデリジェンスをはじめ経営会議資料の社外取締役への配信、設計や知財の情報共有などのニーズを幅広く取り込み、目標達成を目指す。 

金余り現象などを背景に日本企業によるM&Aが活発化しており、これに伴ってVDR市場も拡大している。そんな中、宝印刷が攻勢をかけ業界トップのイントラリンクスを追撃することで、VDRの業界地図に変化が訪れることになりそうだ。 

年率20%-30%の伸びを計画 

宝印刷が手がけているVDRは米国のメリルコーポレーション製で、印刷物であってもOCR(光学的文字認識)で自動認識するため、キーワード検索が可能なほか、7000ページの資料を2分間でアップロードできるなどの特徴がある。 

宝印刷が介することで、日本語での契約や日本円での支払いが可能なほか、アクセス権の設定や変更などの操作サポートも無償で行う。 

宝印刷はメリルコーポレーションの代理店となった2016年からVDRの営業を始め、2018年の導入実績は約100件に達した。2019年は120件-130件の導入を見込んでおり、その後も年率20%-30%の成長を見込む。 

メリルコーポレーションは世界170カ国でサービスを展開しており、160人が24時間365日サポートしている。同社によると2018年11月から2019年10月までの12カ月の実績で、世界のM&Aの取引金額上位10件中、5件でメリルコーポレーションのVDRが使われたという。 

VDRはクラウド上に配置された仮想的なデータルームで、M&Aの際に必要となる財務や税務の資料、営業や人事の情報などを安全に共有するためのシステム。 

M&Aのケースでは通常、売り手企業がVDRを設置し、買い手企業にアクセス権を与え、使用してもらう。買い手企業の誰がどの資料を閲覧したかを把握することで、買い手企業の関心分野などを知ることもできる。海外企業のVDRが先行しているが、最近は日本製のVDRも開発されている。

宝印刷が手がけるVDRのイメージ

文:M&A Online編集部