全国で子(ねずみ)年に設立された法人は19.6万社 十二支の構成で6.3%

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“子年”設立の法人は全国で19万6,507社

公開日付:2019.12.10

 2020年の干支は子(ねずみ)。全国で子年に設立された法人は19万6,507社だった。全国の法人は約307万社で、十二支のうち子年の構成比は6.3%で最も少なかった。
 子年設立の法人で最も古い設立年は1876年(明治9年)で、第四銀行(新潟県)の1社。1872年制定の国立銀行条例に基づき設立された銀行のうち、現存する「ナンバー銀行」では最も古い歴史のある銀行だ。(参考:第一銀行は1873年設立、第一勧銀を経て、現在の「みずほ銀行」)
 都道府県別では、最多は東京都の4万3,247社(構成比22.0%)。子年の設立年別では2008年が7万6,387社(同38.8%)で約4割を占めた。月別では年度始めの4月が2万2,431社(同11.4%)。産業別では、サービス業他が5万8,020社(同29.5%)で最も多かった。
 子年設立の法人で、売上高(単体)トップは1948年9月に設立された社会保険診療報酬支払基金で25兆7,456億円。売上高1兆円以上は15社だった。

※本調査は、東京商工リサーチの企業データベースから個人企業や倒産、休廃業・解散した企業などを除いた307万9,734社(2019年10月26日時点)から、子年に設立された法人を対象に抽出し、分析した。
※設立年月は商業登記簿の記載に基づく。

子年設立の主な法人

 子年設立の法人で、最も設立が古いのは1876年で第四銀行(新潟県)の1社。次いで、1888年は倉敷紡績(大阪府)、JXTGエネルギー(東京都)、江井ケ嶋酒造(兵庫県)の3社。1900年は下諏訪倉庫(長野県)、東那須野肥料(栃木県)、仙台精米機製造(宮城県)など26社。
 子年設立の上場企業は368社。上場企業の9.7%を占め、十二支では丑年の393社に次ぎ、2番目に多い。主な上場企業は、倉敷紡績(設立1888年)のほか、タカラスタンダード(同1912年)、ブルボン、キッコーマン(同1924年)、リコー、ツムラ、東京ドーム(同1936年)、東映アニメーション、東洋水産、山崎製パン、コーセー、エステー、象印マホービン、アヲハタ(同1948年)、オリエンタルランド(同1960年)、モスフードサービス(同1972年)、KDDI、WOWOW(同1984年)、Zホールディングス(同1996年)、コロプラ(同2008年)など。

設立年別 最古は1876年設立、平成設立が6割を占める

 設立年別では、最多が2008年の7万6,387社(構成比38.8%)。次いで、1996年の4万2,977社(同21.8%)、1984年の2万9,479社(同15.0%)と続く。
 子年設立の法人のうち、平成設立が11万9,364社と全体の6割(同60.7%)を占めた。一方、100年以上前の明治時代に設立された法人は95社で、構成比はわずか0.04%にとどまった。

東京商工リサーチ調べ

産業別 サービス業他が最多

 産業別では、最多はサービス業他の5万8,020社(構成比29.5%)。次いで、1万社以上は建設業3万3,066社(同16.8%)、製造業2万4,767社(同12.6%)、小売業2万1,771社(同11.0%)、卸売業1万9,748社(同10.0%)、不動産業1万8,117社(同9.2%)の6産業。最少は農・林・漁・鉱業の2,329社(同1.1%)。
 業種別では、6位にソフトウェア業を含む情報サービス・制作業(9,023社)がランクイン。1996年の設立が1,750社、2008年は5,949社と、IT化の時代を背景に平成に入り8割超(85.3%)の法人が設立された。

東京商工リサーチ調べ

 子年設立の法人は全国で19万6,507社で、1876年設立の第四銀行が最も歴史が古かった。
 子年は、1912年開催のストックホルムオリンピックに日本が初めて参加した。それから108年後の2020年、東京で2回目のオリンピックが開催される。
 1912年に元号が「明治」から「大正」に移り、1960年はカラーテレビの本放送が開始、1972年は日中国交正常化が成立。1984年は日経平均株価が初めて1万円を超え、バブル景気の足音が聞こえ始めた。2008年は東京外為市場で1995年11月以来、12年4カ月ぶりに1ドル100円を割り込む円高を記録した。子年は、経済や生活で歴史的な転換点の出来事が多い。
 2020年は『庚子(かのえね)』。種子の中に新しい生命がきざし始め、前年に蓄えた力を発揮する年と言われる。株式相場では、子年は上げ相場とも言われる。
 2020年は東京オリンピック・パラリンピックが開催される。オリンピックが景気を後押しするのか、不況の入り口か。景気の分岐点に立つ2020年は、乾坤一擲(けんこんいってき)の思い切りより、足を地に付けた潔静精微(けつせいせいび)のかじ取りが必要になってくるだろう。

東京商工リサーチ「データを読む」より

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