仏ルノーが日産自動車<7201>に対する出資比率を引き下げるとの観測が急浮上している。「両社の関係を対等なものにしていくため」と言えば聞こえはいいが、実態は違う。ルノーの2019年世界販売台数は前年比3.4%減の375万台となった。ルノーも2019年10月に「今年の自動車部門のフリーキャッシュフローがプラスになる保証はない」と認めている。そのため、日産株の一部を売却せざるを得なくなったというのだ。

「株の切れ目は縁の切れ目」が確実のルノー・日産

こうした例は過去にもあった。マツダ<7261>株を33.4%保有し、経営支配していた米フォード・モーターは、2008年のリーマンショックに伴う販売低迷を受けて20%以上の株を売却。2010年にさらに10%近くの株を売却したのに続き、2015年には残る3.5%の株式を手放している。

ルノーには二つの選択肢がある。一つはフォードのように段階的に売却する方法。その場合はフォードのように最初に大量放出し、徐々に売却数を減らすのとは逆になりそうだ。日産株は2018年11月のカルロス・ゴーン前会長の逮捕からおよそ4割も値下がりしている。

少しでも多い売却益を得たいルノーにとっては、最初に数%の日産株を売却して「ルノーからの独立性が高まった」と株式市場が好感して同株が値上がりした時点で、売却数を増やす選択をする可能性が高い。

今後の株価の動向が日産の運命を変える

一方、日産は「バランスのとれた資本関係の下で三菱自動車<7211>を含めた3社連合を強化する」ことを期待しているが、過去に持株比率を引き下げた後で関係が強化された例はほとんどない。「株の切れ目は縁の切れ目」なのだ。