3月は金額非公表ながら、注目される大型M&Aが2件あった。
その一つは日本海洋掘削を買収するENEOS。傘下のJX金属を通じて、投資会社のアスパラントグループ(東京都港区)が保有する日本海洋掘削の全株式を4月下旬にも取得する。
日本海洋掘削は海底の石油や天然ガス田の掘削を行う国内唯一の海洋掘削専門会社で、元東証1部上場。しかし、原油安を受けた掘削需要の低迷などで業績が悪化し、2018年6月に経営破綻(負債総額約860億円)した...
ベンチャーエンタープライズセンター(VEC、東京都千代田区)がまとめた2022年(1~12月)のベンチャーキャピタル(VC)による国内向け投資額は2550億円と前年を12%%上回り、2013年に現行方式で調査を開始して以来2年連続で最高を更新した。
2022年の日本企業が関与するM&A公表案件は15.8兆円と、前年比で19.5%減少し、2017年以来の低水準となった。また公表案件ベースのM&Aリーガル・アドバイザーは、西村あさひ法律事務所が総額4.4兆円(184件)で首位となった。
2022年の世界M&Aは、巨額案件が減少し、金額ベースで前年を大きく下回りそうだ。企業の買収余力の低下が影響しているとみられる。世界的な景気減速が懸念される中、来年のM&A市場ではプライベート・エクイティー(PE)の動向が鍵を握るという。