コロナ禍で落ち込んでいた海外M&Aの件数が2023年、好調な滑り出しを見せている。1~2月累計(適時開示ベース)は前年同期比10件増の32件で、コロナ前の2019年34件にほぼ並んだ。ただ、その内容は4年前と一変している。日本企業が買い手のアウトバウンド取引が減る一方、外国企業が買い手のインバウンド取引のウエートが急上昇しているのだ。
海外M&Aはコロナ禍を境に減少に転じ、2020年は152件と25%近い大幅なダウンに見舞われた...
上場企業のうち、2022年に「監査法人異動」を開示したのは241社と前年から27社(12.6%増)増え、過去5年間で最多となった。会社の事業規模に適した監査対応や監査費用の相当性などで、大手監査法人から中小監査法人に異動する企業が増えたためだ。
2022年のM&A件数は前年比8.2%増の949件と前年(877件)に記録したリーマンショック後の最多を大幅に更新した。海外案件は落ち込んだが、国内案件が高水準で推移した。年間金額は6兆5612億円で、こちらは2015年以来の低水準だった。
2022年(12月6日現在)の製造業におけるM&Aは、件数が2年ぶりの減少となったが、2年連続で200件台に踏みとどまった。一方、取引総額は2年連続の減少。国内M&A市場全体が成長する中、件数・取引総額ともに過去10年で下から3番目だった。
2022年9月のM&A(適時開示ベース)は前年同月を22件上回る105件となった。月間100件の大台に乗せるのはリーマン・ショック前の2008年3月(111件)以来の14年6カ月ぶり。国内案件が活況を維持しているのに加え、国境をまたぐ海外案件も8月に続き9月も復調ぶりを示した。