トヨタ自動車<7203>とパナソニック<6752>は2017年末に車載用角型電池事業について協業の可能性を検討することに合意したと発表した。両社が協力して車載用角型リチウムイオン電池の高性能化や低価格化に取り組むことを意味するもので、それはそのまま電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)の高性能化や低価格化につながる。消費者にとっては喜ばしい動きと言えるが、同時にリチウムイオン電池を支

える素材の価格引き下げなど、産業界に与える影響は少なくない。素材業界での事業譲渡や企業買収などに発展する可能性もありそうで、2018年のM&A市場においてリチウムイオン電池関連は一つの注目業界となりそうだ。

規格の統一で価格は低下

 トヨタ自動車とパナソニックは「業界ナンバーワンの車載用角形電池を実現し、トヨタのみならず、広く自動車メーカーの電動車の普及に貢献すべく具体的な協業内容を検討する」とし、高性能で低価格の電池の開発に意欲を示した。発表の場にはトヨタの豊田章男社長とパナソニックの津賀一宏社長の両氏が顔をそろえ、「車載用電池の進化が地球温暖化や大気汚染などの問題解決に役立つ」との明確な意思を伝えた。その具体策の一つが統一規格を作り、トヨタ以外の自動車メーカーにもリチウムイオン電池を供給することで、量産リットを生み出そうというもの。同時に規格を統一することで素材の調達価格も引き下げようとの意図が見え隠れする。

止められないエンジンからモーターへの流れ

 リチウムイオン電池に用いられる正極材には、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウムなどがある。このほかにもリン酸鉄リチウムやカーボンナノチューブといった新しい材料を検討する企業もでてきた。規格を統一するということはこれら材料のうちのどれか一つが採用されることになるため、性能、価格の両面で材料メーカーの競争が激化することになる。当然、採用されなかった材料については需要がなくなるため、事業の売却や提携などの決断が求められることになる。正極材のほかにも負極材や正極と負極を分けるセパレーター、電解液といった主要部材も同様の波にさらされることになる。