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失敗、大どんでん返し、爆買い…「なんでもアリ」の大混戦 企業買収で振り返るケータイ業界

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ご破算になったスプリントと TモバイルUSの合併

 2017年も企業の合併・買収(M&A)の嵐が吹き荒れた携帯電話業界。まずは失敗事例から。

 何と言ってもソフトバンクグループ<9984>傘下の米通信大手のスプリントと、ドイツテレコム傘下のTモバイルUSとの経営統合が再びご破算になったことが注目される。もともとドイツテレコムは業績不振に苦しんでいたTモバイルUSを売却する気満々だったが、2014年にオバマ前政権が「モバイル通信の独占につながりかねない」とストップをかけて頓挫した苦い経験がある。そこでソフトバンクの孫正義社長が米国の政権交代を受けてトランプ新大統領と直談判し、2017年早々に政府によるM&A阻止を回避するメドをつけた。

 トランプ大統領の「お墨付き」を得たソフトバンクはドイツテレコムとの経営統合に向けた交渉に入ったのだが、いかんせん3年前とは状況が一変していた。TモバイルUSの業績がV字回復していたのだ。2014年の合併交渉が破談になると、全米4位のモバイル通信事業者だったTモバイルUSは、なんと交渉相手だった同3位のスプリントに牙をむく。その年にうちにシェアも逆転されて、スプリントは同4位に転落する。

強気のドイツテレコム、すがるソフトバンクを蹴散らす

 そうなると親会社のドイツテレコムも強気だ。「経営権はシェアが高い(ドイツテレコム側の)TモバイルUSが握るべきだ」とゴネ始めた。もっともソフトバンクとしては2016年3月期に9年ぶりとなる営業黒字を実現し、ようやくグループの「飯のタネ」に育ったスプリントの経営権を、みすみすドイツテレコム傘下のTモバイルUSに引き渡すなんてありえない話である。ソフトバンクは「せめて対等の関係で経営に当たりたい」と食い下がったが、ドイツテレコムはこの提案を一蹴。2017年11月にはソフトバンクグループの取締役会が「新会社のコントロール権を失う合併には合意できない」と結論を出し、M&Aは再びお流れになった。

ドイツテレコムに煮え湯を飲まされた孫社長
ドイツテレコムに煮え湯を飲まされた孫社長 Photo by Nobuyuki Hayashi

 いずれにせよ米国のモバイル通信業界は1位のベライゾン(全米シェア33%)、2位のAT&T(同26%)が市場の約6割を握る寡占状態であり、下位のTモバイルUSとスプリントが顧客の奪い合いをしたところで上位2社に利するだけで埒(らち)が明かないことは明白。いずれ合併話が再燃する可能性は高そうだが、「どちらが経営権を握るか」が争点になるのは間違いない。結局のところTモバイルUSかスプリントのいずれかが経営不振に陥って、親会社が「損切り」の売却に動かない限りは膠着(こうちゃく)状態が続きそうだ。

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