若い女性がタンクトップとホットパンツ姿で接客をする「HOOTERS(フーターズ)」運営のエッチジェーが倒産しました。負債総額は5億6000万円。全盛期は東京、大阪、名古屋、福岡で7店舗を展開し、17億700万円を売り上げていました。アメリカ風の明るく開放的な店づくりとセクシーな女性の組み合わせは、スナック、キャバクラ、メイド喫茶といったの独特な文化が育つ日本では、受け入れられなかったようです。

フーターズ銀座店の店内
フーターズ銀座店の店内


全盛期でもジリ貧だったフーターズ

エッチジェーは、2006年にアメリカ発のカジュアルレストラン「フーターズ」のライセンスを取得し、赤坂見附駅前の東急プラザに1号店をオープン。その後、2012年に銀座ナインに2号店、2013年に大阪に3号店をオープンしています。2017年12月に福岡店を開業していましたが、2019年2月には早くも撤退していました。

メディアで騒がれたこともあり、勢いのあるように見えた日本のフーターズ。しかし、実際は厳しい状態が続いていたことがわかります。

フーターズの経営悪化の原因は、都市部の一等地でフロア面積が広い開放的な店づくりをした点だと考えられます。好調な時期の売上高でみても、高額な家賃が利益を圧迫している姿が見えてきます。

7店舗出店していた全盛期の売上高が17億700万円でした。1店舗あたりの年間の売上高は2億4300万円です。月間の売上は2000万円。フーターズの赤坂店のフロア面積は120坪、銀座店が150坪です。赤坂、銀座ともに家賃相場が高いことで知られています。赤坂見附駅前の2019年の平均坪単価は30,035円。銀座が33,431円です。単純計算でも、フーターズの家賃は月400万~500万円にのぼっていたことがわかります。

飲食店経営の場合、適正な家賃割合は売上の7~10%といわれています。フーターズは20~25%が家賃です。全盛期といわれる時期でも、危険な状態が続いていました。直近の売上は15億1400万円まで下がっていましたので、1店舗あたりの月間売上は1800万円。売上に占める家賃の割合は、22~27%まで上昇していたことになります。

家賃から逆算すると、フーターズは1店舗で最低でも月4000万~5000万円を稼がなければなりませんでした。フーターズブランドが稼ぐ力は、計画の半分ほどだったことになります。

次に想定客数を出してみましょう。フーターズの客単価は1人3,000円ほど。月2000万円の売上だと、1日およそ220人が訪れていたことになります。家賃に相応しい売上4000万円に必要な客数は最低でも440人。赤坂店の席数は150ですので、休みなく営業を続け、連日3回転させ続けなければなりません。客単価3,000円の居酒屋で、フーターズの半分の70席の店を2回転させれば、繁盛店といわれます。いきなりステーキのような立ち食い業態でも、夜の営業で3回転が限界です。

フーターズは、もともと無謀な計画を立てていたように見えます。