キリンビール、アサヒビール、サッポロビール、サントリーの大手ビールメーカー4社は、クリスマス向けの期間限定商品をそろって投入、激しい商戦を繰り広げてきた。勝敗が明らかになるのは年明けとなりそうだが、クリスイブの今日24日と、クリスマス本番の明日25日が攻防の山場となる。消費者の心をつかむのはどの商品なのか。

2品混ぜ、違う色と味に変化

 アサヒビールはクリスマス向けに2品を混ぜ合わせることで色や味が変化するワインベースのスパークリングカクテルを11月21日に発売した。「カシススパークリング」と「グレープスパークリング」で、ピンク色のカシスと青色のグレープを合わせることで色合いが紫色に変化し、味もブルーベリーに変わる。パーティー当日に楽しめる仕掛けだけでなく、店頭での雰囲気を盛り上げるため、売り場づくりも提案。11月下旬から「ツリーを出すと始まるフライングクリスマス」を、12月中旬以降は「おウチクリスマス」をテーマにした販売促進用の広告を展開してきた。商品の販売は2018年1月末まで続ける。


 さらにアサヒビールは2012年に買収したカルピスブランドの商品も投入した。クリスマスシーズンなどに需要が高まるイチゴの果汁と、濃いめのカルピスを合わせた濃厚な味わいのカルピスサワー「濃い贅沢 濃厚イチゴ」がそれで、20歳代~40歳代に照準を合わせる。発売日は12月19日。クリスマス商品であることを印象づける狙いがあるようだ。年末年始の需要も見込み、2018年2月末まで販売する。1000億円という買収額は当時の飲料業界では最大だっただけに、はっきりとした成果を残したいところ。

販売期間中にデザインを切り替え

 キリンビールもクリスマス直前の12月19日に缶チューハイ「キリン氷結 紅ほっぺ」を発売した。こちらは販売期間中に缶のデザインを変えるという作戦だ。年内は小ぶりのイチゴが6個のデザインで、新年以降は大ぶりのイチゴ2個のデザインに変える。これによって商品をリフレッシュさせ、年末年始の店頭を華やかに飾るという。中身はクリスマス時期にイチゴ需要が高まることから、静岡県産のイチゴ「紅ほっぺ」を用い、フルーティーでコクのある甘みに仕上げた。

 

  サントリースピリッツも12月19日、缶チューハイ「-196℃ストロングゼロ」(まるごと青りんご)」を発売した。家族や友人と集まる機会が増えるクリスマスと年末年始に向けて、まるごと青りんごの中身とパッケージを一新したもので、青りんごの浸漬酒と果汁の両方を使い、さらにアルコール度数を9%に高めることで、力強い飲みごたえを実現した。

 

  サッポロビールはビール「ヱビス華みやび」のデザインを一新し、クリスマスなどの冬のパーティーシーンでの需要を開拓する戦略だ。缶にさまざまな雪の結晶をあしらい、冬の風情を感じる華やかなデザインとした。11月21日発売で、数量限定だ。

軍配はどの商品に

 各社それぞれ工夫を凝らし臨んだ今年のクリスマス商戦。軍配が上がるのはどの商品なのか。群雄割拠する中小の地ビールメーカーにもクリスマス用の商品を投入するところがあり、これらの中で一頭地を抜くような企業があれば、アサヒによるカルピスといった大型買収劇に及ばないにせよ、大手が触手を伸ばす可能性もありそうだ。

文:M&A Online編集部