ハイブリッドなのにEV?

 HV(ハイブリッド車)が当たり前となったエコカー市場に「レンジエクステンダーEV(電気自動車)」と呼ばれるニューカマーが現れた。レンジエクステンダーとは文字通り「航続距離を延ばす」であり、純EVよりも航続距離が長いEVを指す。例えば日産自動車<7201>の純EV「リーフ」の航続距離が満充電で400kmなのに対し、レンジエクステンダーEVの「ノートe-POWER」はガソリンを満タンにすれば1,394kmもの走行が可能だ。しかも、リーフが長時間の充電を必要とするのに対し、ノートe-POWERはガソリンを給油すれば直ちに走行できる。

日産「ノート e-POWER」
日産「ノート e-POWER」

 しかし、このレンジエクステンダーEVは、ガソリンエンジンを搭載したHV。なぜ「EV」と呼ばれるのか。トヨタ自動車<7203>の「プリウス」のような一般のHVは、ガソリンエンジンと電気モーターによる駆動を併用する。発進・加速など燃費が悪い低速時はモーターで、燃費の良い中・高速時はエンジンで駆動している。モーター駆動はサポートにすぎないうえに、主に減速の制動エネルギーから生み出した電力でモーターを駆動するため、EVのような大容量電池は搭載していない。

 一方、レンジエクステンダーEVは電気モーターでしか駆動しない。搭載しているエンジンは発電専用だ。通常のHVは発進時などの限られた場面でしかモーター走行しないが、レンジエクステンダーEVは常時モーター駆動するため大量の電力を必要とする。本来ならば大容量の電池を積む純EVになるが、電池価格はまだ高く、充電時間は長いうえに航続距離も短い。「ならば発電機を積み込めばいいじゃないか」という発想で開発されたのが、レンジエクステンダーEVなのだ。