2019年に東京証券取引所で上場廃止となった企業は42社を数える。前年に比べると19社少ない。産業界の潮流や栄華盛衰とも密接にかかるのが上場廃止の動向だ。「令和」のスタートを振り返ってみると。

ミサワホーム、大納会の日に東証を去る

12月30日は今年の取引を締めくくる東証の大納会。同日付で上場廃止したのが住宅メーカー大手のミサワホームだ。親会社のトヨタホーム(非上場)による完全子会社化に伴うもので、48年間の上場歴にピリオドを打った。

ミサワホームは1967年に設立し、その4年後の1971年に東証2部にスピード上場(翌72年に東証1部)。住宅業界の寵児の名をほしいままにした。しかし、バブル期に手がけたリゾート開発の失敗などで1990年代になると、経営が傾き、創業者の三沢千代治氏は退陣に追い込まれた。2006年にはトヨタ自動車の傘下に入った。

トヨタ自動車とパナソニックは2020年1月に両社の住宅事業を統合することになっており、その統合新会社のもとにミサワホームも組み込まれる。

住宅ではほかに、「ライオンズマンション」で知られる大京がオリックスによる完全子会社化で上場廃止(1月)となった。

70年の上場歴に分かれを告げたのは出光興産と経営統合した昭和シェル石油だ。昭和シェルは1985年に昭和石油とシェル石油が合併して誕生したが、母体である昭和石油は戦後間もない1949年に上場した。

業種では電子部品商社で上場廃止が目立った。バイテックホールディングスはUKCホールディングス(現レスターホールディングス)との合併、フーマイスターエレクトロニクスはMBO(経営陣による買収)で非公開化、日本ライトンは台湾の親会社による完全子会社化により、それぞれ上場を廃止した。

カーナビ大手のパイオニアとクラリオンはそろって海外企業の傘下入りに伴い、3月に上場を廃止した。同様に、スキンケアなどの化粧品ブランド「ドクターシーラボ」を展開するシーズ・ホールディングスは4月、米ジョンソン・エンド・ジョンソンによる買収で上場廃止に。

米生保アフラック、東証から撤退

金融関連では、十八銀行(長崎市)が「ふくおかフィナンシャルグループ」(福岡市)、カブドットコム証券(現auカブコム証券)がKDDIの完全子会社に伴い、上場を廃止した。

10月には米生保大手のアフラックが東証から撤退した。1987年に東証に上場したが、取引量が乏しく上場の意義が薄れたことが理由。この結果、ピーク時の1991年に127社を数えた東証外国銘柄も4社(米2社、マレーシア、英領ケイマン各1社)まで減り、“風前の灯火”に。

時価総額が所定額に届かない状態が一定期間続き、1962年以来の東証2部上場の資格を失ったのは、競輪の場外車券場を主力とする花月園観光。東証は11月1日付で同社の上場廃止を決めた。

過去5年間の東証での上場廃止をみると、2014年42社、15年66社、16年67社、17年40社、18年61社。一方、上場企業数は現在3707社で、2014年末より239社増えている。

◎東証:2019年 主な上場廃止会社

社名理由
ミサワホームトヨタホームが完全子会社化
青木あすなろ建設高松コンストラクショングループが完全子会社化
花月園観光時価総額が基準に満たず
アフラック申請に基づく
日本ビューホテルヒューリックが完全子会社化
カブドットコム証券KDDIが子会社化し、現auカブコム証券
図書印刷凸版印刷が完全子会社化
シーズ・ホールディングス米ジョンソン・エンド・ジョンソンが子会社化
十八銀行ふくおかフィナンシャルグループが完全子会社化
昭和シェル石油出光興産と経営統合
パイオニア香港投資ファンド傘下で再建を目指す
クラリオン仏自動車部品大手のフォルシアが子会社化
シベール民事再生手続きに伴う
大京オリックスが完全子会社化

年明けはリーバイスが先陣

2020年はすでに4社の上場廃止が決定している。そのトップバッターはジーンズなど米国衣料大手の日本法人であるリーバイ・ストラウス ジャパン。米親会社が完全子会社化することにより、1月7日付で1989年以来の上場が廃止となる。

リーバイスは2020年1月7日に上場廃止を迎える(東京・渋谷のショップ)

文:M&A Online編集部