M&Aの目的が事業のグローバル化から人材獲得や技術強化に移行しつつある。M&Aのアドバイス事業を手がけるGCA<2174>がM&Aに積極的に取り組んでいる日本企業を対象に実施したアンケートで、こんな傾向が現れた。 

アンケートは2019年7月2日から8月2日まで、企業の経営者や経営企画担当役員らを対象に実施。294社(回収率42%、上場企業80%、非上場企業20%)、481人(回収率22%)から回答を得た。97%がM&Aを経験したことのある企業からの回答で、M&A実施回数が5回以上の企業が3分の2を占めた。 

約7割が取引先企業の後継者問題に懸念 

アンケートではM&A活用の目的を尋ねたところ、「本業のグローバル競争力強化」のためと答えた企業の割合が高かったものの、「新たなビジネスモデルの獲得」や「テクノロジーの強化」「自社にはいない人材・企業風土の獲得」といった、自社能力強化のためにM&Aを活用しようとする意欲がうかがえたという。 

またM&Aの成功の要因としてM&Aの経験が豊富な企業は「意思決定のスピード化」と「PMI(M&A後の統合プロセス)」を重視し、その能力強化に努めている傾向もあった。 

さらに、取引先の後継者問題について聞いたところ、69%が自社事業にも影響を及ぼす懸念を感じていると回答したほか、スタートアップ企業との連携については77%の企業が協業について関心を持っており、31%は出資や買収などを実行していることも分かった。 

GCAは2004年の創業で、スタートアップ企業の資金調達、クロスボーダーM&A、事業スピンアウト、買収防衛などの支援を行っている。世界に22の拠点があり、日本企業による米国や欧州、アジア地域などの海外企業のM&A案件に強みがある。 

2019年12月期の売上高は前年度比13.8%減の230億円、営業利益は同3.7%減の33億5000万円の減収減益だが、急成長した前年度に近い水準を維持できる見込み。

文:M&A Online編集部