【JVCケンウッド】巧みなM&Aで長期低迷からの浮上を目指す

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M&Aは自動車関連事業に注力

この頃になると、JVCケンウッドの買収戦略は自動車関連事業に絞り込まれてくる。2015年1月に欧州の主要自動車メーカー向けに車載用スピーカーやアンプ、アンテナなどの車載オーディオ関連部品を供給する伊ASK Industries S.p.A.(連結売上高216億円)の全株式を2510万ユーロ(36億7000万円=当時)で取得すると発表した。

ASKを子会社化することで自動車向けの純正部品事業を拡大するとともに、同社が持つ主要欧州車メーカーとの強固なパートナーシップや販路を獲得。それまで手薄だった欧州車メーカーに対して、JVCケンウッドのカーナビゲーションやカーオーディオ、車載用CD/DVD機器などの提案機会が増えると期待した。

翌2016年12月には非自動車関連事業売却の一環として、電子機器製造子会社のジー・プリンテック(GPI、東京都港区)の株式60%を、あおぞら銀行などが出資するAZ-Star 1号投資事業有限責任組合(東京都千代田区)に売却すると発表。併せてJVCケンウッドのカードプリンター事業(事業売上高40億8000万円)も切り出し、GPIに吸収分割した。

自動車関連事業であっても、直ちに収益に結びつきそうにない事業は売却している。2019年9月にADAS(先進運転支援)システムの開発を手がける100%子会社ZMP(東京都文京区)の全株式を譲渡した。

JVCケンウッドは2013年12月にZMPを子会社化したが、親会社が得意とするカーエレクトロニクス製品に先進運転支援技術を組み込むには時期尚早と判断し、売却を決めている。譲渡先と譲渡価格は非公開だ。

自動車関連事業の柱の一つとなっているカーナビ(同社ホームページより)

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