砂糖業界で新たな再編が動きだした。その中心にいるのが業界最大手の三井製糖だ。人口減や健康志向の高まり、人工甘味料の台頭などで砂糖の国内消費量が減り続ける中、「3社連合」を形成し、逆風に立ち向かう。

大日本明治と経営統合、日本甜菜に10%出資

三井製糖と大日本明治製糖(東京都千代田区)は3月25日、2021年4月に経営統合することで協議に入ると発表した。両社は持ち株会社制に移行する。統合後の持ち株会社は日本甜菜製糖の株式を約10%取得し、資本業務提携する。日本甜菜も同価値の持ち株会社株式を取得し、株式を持ち合う。

「スプーン印」で知られる三井製糖は売上高1100億円を超え、約3割のトップシェアを持つ。「ばら印」が看板の大日本明治製糖は現在、三菱商事の100%子会社で、売上高は約330億円と中堅クラス。一方、日本甜菜は570億円規模で業界2番手で、明治ホールディングスを筆頭株主とする。

業界各社は少子高齢化、甘味需要の多様化といった国内の厳しい市場環境に加え、TPP(環太平洋連携協定)に代表される経済連携協定の進展で国際的な競争に従来にも増してさらされている。三井製糖を軸に、グループの垣根を越えて結集し、国内供給体制の基盤強化と国際競争力の向上を目指す。

三井製糖は株主交換で大日本明治を完全子会社化する。株式交換と同時に、三井製糖は会社分割によって持ち株会社化し、新設会社(新・三井製糖)が事業を承継する。持ち株会社が上場を継続する。持ち株会社の名称や本社所在地、役員構成や統合比率など詳細を詰め、9月末に最終契約締結のスケジュールだ。

「スプーン印」の商品(三井製糖ニュースリリースから)

40年間、減り続ける砂糖の消費量

砂糖の消費量はおよそ40年間、減り続けている。戦後、急速に増加し、1970年代まで年間290万トン前後で推移してきたが、以降は清涼飲料用を中心に異性化糖による代替が進んだほか、糖質カットの流れが勢いを増し、消費量は大きくダウンした。

農水省が3月に発表した2020年度(砂糖年度は2019年10月~20年9月)の需給見通しによると、消費量は188万トン。2014年度に200万トン台を割り込んだままだ。1人あたりの消費量は年間16.5㎏と、EC(欧州連合)35.1㎏、米国31.1㎏の半分にとどまる。主要国で日本より低いのは中国(11.3㎏)など数えるほどだ。

砂糖の原料はサトウキビと甜菜(砂糖大根、ビート)。砂糖生産に使われる原料のうち、6割近くが輸入で、国内産は4割程度。サトウキビは沖縄と鹿児島、甜菜は北海道でとれるが、これらの国内産原料は保護政策として政府が価格調整しているため、安価な輸入原料と比べて割高になり、メーカー各社の不満がくすぶっている。

市場縮小が続く中、過去に何度も繰り返されてきたのが再編・淘汰の動きだ。

◎3社の業績(単位億円、三井と日本甜菜は2020年3月期、大日本明治は19年3月期)

 三井製糖大日本明治日本甜菜
売上高1138 334570
営業利益482516
最終利益242013
純資産923225669