建材商社最大手のJKホールディングスがM&Aにアクセルを踏み込んでいる。今年に入り、5件の企業買収を矢継ぎ早に実施した。元々、M&A積極派の同社だが、ここへきて動きが際立っている。どんな狙いが込められているだろうか。

木質系で抜群の強み

JKホールディングスは持ち株会社として子会社、関連会社を合わせて約60社を傘下に置く。中核事業会社のジャパン建材(東京都江東区)を中心に、合板、柱や梁などの構造材から、外壁材や屋根材、サッシ、ドア、内装材(床材、建具など)、住宅設備機器(キッチン、ユニットバス、トイレなど)、太陽光発電設備まで、住まいづくりに必要とされる様々な部材・資材の卸売を主力とする。とりわけ、木質系商材の取り扱いでは抜群の強みを持つ。

卸問屋としての機能にとどまらず、建材流通の川上に位置する合板製造や木材加工にいち早く進出する一方、川下の小売り事業も積極的に展開してきた。2019年には約67億円を投じた新鋭の合板工場(子会社のキーテックが運営)が山梨県身延町で稼働した。こうした思い切った事業投資は「商社」のあり様そのものだ。

中核子会社「ジャパン建材」の社名も翻る(東京・新木場の本社)

同社が2020年3月期を初年度にスタートした3カ年の中期経営計画「ブレークスルー21」。重点施策の一つとして盛り込んだのが建材小売子会社の再編だ。子会社の新設や子会社間の合併、拠点(全国約90)の統合などを進めているが、これと並ぶ施策がM&A活用にほかならない。

地域密着型の販売店を配置し、建築会社、工務店など現場の需要に迅速に対応できる営業体制づくりを眼目とする。

建材小売りで買収攻勢

今年3月に子会社化したのがティエフウッド(埼玉県川口市。売上高7億円)と長谷川建材(北海道北見市。売上高9億3700万円)の2社。いずれも全株式を取得したが、金額は非公表。新規の商圏を取り込むとともに、事業承継対応ニーズに応える狙いもある。

例えば、長谷川建材。設立は1963年と60年近い業歴を持つ。JKホールディングスは北海道道東地区に拠点を持っていなかったが、同社をグループに迎え、道内主要都市に拠点を構える体制を整えた。

中計2年目に入った5月に四辻製材(京都府向日市。売上高7億6200万円)を、7月には井田商事(大阪市。売上高4億3600万円)を子会社化した。四辻製材は1976年、井田商事は1951年に設立し、地域密着による安定した顧客基盤を持つ。

さらに7月半ばには、京都板硝子(京都市。売上高15億9000万円)を子会社化した。同社は1950年設立で、京都府内を中心に建築用ガラス、住宅用サッシの販売・施工を手がけるが、実は日本板硝子の全額出資子会社。

JKホールディングスが上場企業の子会社を傘下に収めるのは2007年に木材販売の三井物産林業(現物林、東京都江東区)を三井物産から買収して以来となる。

沿革と主なM&A
1937  創業者・𠮷田猛が個人営業を始める
1949  合板の仕入れ・販売を目的に東京都墨田区に丸吉商店を設立
1963  丸吉に社名変更
1990  株式を店頭登録
1996  東証2部上場(2003年に東証1部)
1998  興国ハウジングと合併し、社名をジャパン建材に変更
2004  建築資材加工の日本パネフォーム(東京都江東区)を子会社化
住関連資材販売の通商(大阪市)を子会社化
2006  構造用集成材製造の秋田グルーラム(秋田県大館市)を子会社化
持ち株会社制に移行し、JKホールディングスに社名変更
2007  木材・建築資材販売のミトモク(水戸市)を子会社化
木材販売の三井物産林業(現物林、東京都江東区)を子会社化
新本社ビル(新木場タワー)を完成
2009  建築工事のエムジー建工(東京都江東区)を子会社化
2010建材・住設販売のダイテックス(埼玉県草加市、現ハウス・デポ関東)を子会社化
2013  建築資材販売の銘林(東京都江東区)を子会社化
構造用集成材製造の宮盛(秋田県五城目町)を子会社化
2015   木製家具部材製造の瀬川木工(愛知県豊橋市、現アイチキャビネット)を子会社化
建築資材販売の高知シンケン(高知市、現ブルケン四国)を子会社化
2016  建築資材販売のトップ建材(山形市)を子会社化
2018  内装施工用具製造の広島(大阪市)を子会社化
2020  3月、建築資材販売のティエフウッド(埼玉県川口市)を子会社化
3月、建築資材販売の長谷川建材(北海道北見市)を子会社化
4月、傘下の秋田グルーラムとMIYAMORI(旧宮盛)が合併しティンバラム(秋田県五城目町)が発足
5月、建築資材販売の四辻製材(京都府向日市)を子会社化
6月、合板加工・販売の井田商事(大阪市)を子会社化
7月、板ガラス販売の京都板硝子(京都市)を子会社化