【帝人】未来の社会を支える会社を目指しM&Aを加速

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帝人は航空機向け需要の減少で特損を計上する(写真はイメージです)

帝人<3401>がM&Aを加速している。同社は2020年12月、2021年1月、2月と3カ月連続でM&Aを発表(適時開示情報)した。

適時開示情報に限れば、この3件以前の発表は2019年5月で、さらにその前は2017年4月と間隔が空く。

同社は2023年3月期を最終年とする3カ年の中期経営計画にM&A枠を設けており、M&Aによる事業の成長に前向きだ。

同社が目指す企業像とはどのようなものなのか。

医療とEVを強化

帝人が立て続けに実施したM&Aはいずれも「買い」の案件で、事業譲受が1件、子会社化が2件で、3件ともに事業の拡大や基盤強化などを狙いとする。

直近の2021年2月26日に発表したのは武田薬品工業<4502>から2型糖尿病治療薬4製品の日本における製造販売承認と特許などの関連資産を、1330億円を投じて取得する案件で、医薬品子会社の帝人ファーマ(東京都千代田区)を通じて2021年4月1日に実施する。

帝人ファーマは代謝・循環器を注力疾患領域の一つとしており、ブランド力のある糖尿病治療薬を取り込むことで、医薬品事業の基盤維持・強化につなげるという。

2021年1月に発表したのは、富士フイルム傘下で再生医療製品開発のジャパン・ティッシュ・エンジニアリング<7774>TOB株式公開買い付け)で子会社化する案件で、3月2日にTOBが成立した。買付代金は約192億円。

ジャパン・ティッシュは1999年設立の再生医療ベンチャーで、生物から採取した細胞を用いて組織や臓器を人工的に作り出すティッシュ・エンジニアリングと呼ばれる医療技術の確立を目指している。帝人は同社を子会社化することで、バイオ医療領域の事業を拡大する。

2020年12月に発表したのは、中国でガラス繊維強化複合材料の原材料や完成品を製造する持ち分法適用関連会社の賽史品威奥(唐山)結構複合材料有限公司(河北省)を子会社化する案件。合弁相手の青島威奥軌道股份有限公司(山東省)から50.6%の株式を約48億9000万円で取得し、持ち株比率を100%に高めた。

子会社化により効率的な事業運営が可能になるため、中国で需要の拡大が見込まれるEV(電気自動車)向けに、バッテリーボックス用途の供給を増やす計画だ。

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国内化学合繊大手の一角を占める帝人が、2017年からM&Aを積極的に展開している。ターゲットは自動車。自動車部品メーカーを次々に買収し、炭素繊維部品による車体の軽量化で完成車メーカーへ売り込みをかけている。「川下」を目指すM&Aが始まった。

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