銭湯「極楽湯」「RAKU SPA」を展開する極楽湯ホールディングス(HD)<2340>が2019年、2020年と立て続けにM&Aを実施し、国内店舗数の増加と運営体制の強化を進めている。一方、中国ではフランチャイズを中心に店舗数を増やし、事業規模の拡大に取り組んでいく計画だ。
現在、日本、中国とも新型コロナウイルスの影響で厳しい環境下にあるが、いずれ新型コロナウイルスの感染は終息するはずで、日本と中国の2本立て戦略に変わりはないものとみられる。
今後、同社は日本と中国ではどのような事業を展開するのだろうか。
極楽湯HDは日本国内店舗を紹介するホームページで「お風呂は楽しい」とのキャッチフレーズのもと、露天風呂からジェットバスまで、多数の種類の風呂を備えており、入浴のあとはリラクゼーションやあかすり、食事を楽しむことができる、としている。
一方、中国でも「温泉を楽しむ」のテーマのもと、さまざまな施設があり、入浴後にマッサージや娯楽、エンターテイメント、アニメーション、レジャーをはじめ、中華料理や和食、洋食、宴会プランなどを用意しているとしており、日本と同じようなサービスを利用できることが分かる。
同社は1993年に自然堂(じねんどう)を設立し、1996年にフランチャイズ1号店の極楽湯古川店をオープン。その後1998年に直営1号店の極楽湯奈良店をオープンしたあと、フランチャイズ、直営ともに店舗数を増やし、2020年2月14日時点で、国内では直営30店舗、フランチャイズ14店舗を展開している。
中国では2011年に極楽湯(上海)沐浴有限公司(現・極楽湯(上海)沐浴股份有限公司)を設立し、2年後の2013年に上海に海外直営1号店をオープンしたあと、湖北省武漢市、江蘇省無錫市、吉林省長春市などに出店。2020年2月14日時点では直営4店舗、フランチャイズ4店舗を展開している。
年 | 極楽湯HDの沿革 FCはフランチャイズ |
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1993 | 自然堂(じねんどう)を設立 |
1996 | 極楽湯古川店(FC1号店)をオープン |
1998 | 極楽湯奈良店(直営1号店)をオープン |
2002 | 日本証券業協会に店頭売買有価証券として株式を登録(現・東京証券取引所ジャスダック市場スタンダード) |
2006 | 極楽湯に社名変更 |
2011 | 極楽湯(上海)沐浴有限公司(現・極楽湯(上海)沐浴股份有限公司)を設立 |
2013 | 中国上海市に直営1店舗(極楽湯碧雲温泉館)をオープン(海外進出1号店) |
2014 | Gokurakuyu China Holdings Limited(香港)を設立 |
2015 | 中国上海市に直営1店舗(極楽湯金沙江温泉館)をオープン |
2016 | 中国湖北省武漢市に直営1店舗(極楽湯金銀潭温泉館)をオープン |
2017 | 新設分割を実施し、持株会社制度に移行。極楽湯を極楽湯ホールディングスに社名変更 |
2017 | 中国上海市にFC店1店舗(極楽湯川沙温泉館)をオープン |
2018 | 中国上海市に直営1店舗(極楽湯嘉定温泉館)をオープン |
2018 | 中国江蘇省無錫市にFC店1店舗(極楽湯博大温泉館)をオープン |
2019 | 中国吉林省長春市に直営1店舗(極楽湯欧亜温泉館)をオープン |
2019 | タカチホから事業を譲り受け、直営5店舗(富谷店、羽生温泉、松崎店、女池店、槇尾店)をオープン |
2019 | 中国上海市にFC店1店舗(極楽湯宝山温泉館)をオープン |
2020 | 日本アジアグループ傘下のエオネックスと利水社を子会社化(4月1日の予定) |