【アイカ工業】M&Aを加速 目指すは年商3000億円

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コロナ禍で需要が増加しているホットメルト接着剤の新製品(2021年3月23日発表のニュースリリースより)

資本提携やM&Aも含め積極的に自己資金を投入する-。接着剤や化粧板などを製造するアイカ工業<4206>は、2017年に策定した10年ビジョン(2018年3月期-2027年3月期)の中で、こうした方針を示していた。

この言葉の通り同社はM&Aを積極化させており、2018年以降の主なM&Aは10件近くに達する。とくに2021年に入ってからは勢いを増しており、この3カ月間に3件のM&Aを適時開示した。

2021年3月期は新型コロナウイルスの影響で減収減益が避けられない状況だが、新型コロナウイルスを99%以上減少させる効果が確認された抗ウイルスメラミン化粧板が好調に推移するなど明るい材料もある。

コロナ禍の中、生産性の向上やコスト削減などの業務改革を進めた結果、収益力はコロナ以前よりも高まっており、2027年3月期に3000億円の売上高を目指す10年ビジョンにブレはなさそうだ。

2021年はすでに3件のM&Aを実施

アイカ工業は2021年2月25日にインキ大手のDIC<4631>から接着剤や摩擦材、砥石用のフェノール樹脂に関する事業を譲り受けると発表した。建築や自動車、鉄鋼、塗料、電子材料など幅広い用途を持つフェノール樹脂の製品群を拡充し、国内シェア向上につなげるのが狙いで、2021年3月31日に実施する予定。

同社はこの発表の前日の2月24日にもマレーシアのホットメルト接着剤(熱をかけて融かして接着させる接着剤)の製造販売会社アドテックを2021年4月1日に子会社化すると発表した。

ホットメルト接着剤は包装や電子部品、自動車向けなどに利用されており、アドテックを子会社化することで、これまでの中国、タイ、インドネシアに加え、東南アジア、アフリカ、北米、欧州地域向けの販路を獲得し、同事業の拡大を目指す考えだ。

さらに2021年1月29日には、台湾の化学工業用原料・塗料メーカーのDSMコーティング・レジンの大園工場と、これに付随するUV(紫外線)硬化型コーティング剤事業を2021年6月中旬に譲り受けると発表した。

アイカ工業は2018年に、靴・繊維・日用品用途のウレタン樹脂などを製造する台湾エバモア・ケミカル・インダストリー社を子会社化しており、DSMコーティング・レジンを傘下に収めることで、台湾、東南アジアでの事業拡大につなげるのが狙いという。

このほかにも2019年以降に適時開示したM&A案件は5件(2021年の3件を含めた合計は8件)に及び、それ以前の状況と比べるとギアが一つ上がった格好だ。

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