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【グローリー】海外M&Aを加速|戦略投資枠は600億円

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通貨処理機の世界的企業に躍進

おカネを「見分ける」「数える」「束ねる」…。グローリーは通貨処理機のリーディングカンパニーとして、その名を世界に知られる。100カ国以上で紙幣硬貨入出機、レジつり銭機、両替機などの製品を販売し、海外売上高比率は4割を超える。グローバル企業へ変貌を遂げる原動力となったのがM&Aだ。決済のキャッシュレス化やセルフ化の流れをとらえ、年明け後、大型の海外企業買収に踏み切った。

仏アクレレックを242億円で買収

グローリーは1月末、セルフ注文・決済端末の大手メーカー、フランスのアクレレック・グループを買収すると発表した。発行済み株式の80%を2億200万ユーロ(約242億円)で取得する。数百億円クラスの買収は2012年、英国の通貨処理機の同業大手、タラリス・トプコ(現グローリー・グローバル・ソリューションズ)を約800億円で傘下に収めて以来となる。

アクレレックは欧州を中心に19カ国に拠点を持ち、売上高は151億円(2018年12月期)。ファストフード店などで利用者が自分で商品の注文や支払いを済ませるセルフサービスキオスク用機器の開発から生産、販売、保守までをトータルに事業展開し、15年以上の業歴を持つ。また、従業員800人中、100人を超えるソフトエンジニアを抱え、迅速なアプリケーション開発を強みとする。

セルフサービスキオスク市場は人件費高騰や人手不足への対応を背景に外食分野を中心に世界的に急成長中で、アクレレックは欧州におけるトップブランド。マクドナルド、ケンタッキー・フライド・チキン、バーガーキングなどに4万台以上の納入実績があるという。

事業領域拡大へキオスク分野を取り込み

グローリーはこれまで手薄だったキオスク分野を取り込み、自社の製品群を組み合わせ、両社の販路を相互活用しながら、セルフ注文・決済端末と通貨処理機の販売拡大を目指す。一方、アクレレックは日本市場への参入を準備中だ。

通貨処理機をめぐる国内市場はキャッシュレス化の進展や人口減少で縮小に向かっている。主力の金融機関向けは店舗統廃合などで需要減が続く見通しで、流通(小売り)や外食向けの強化が課題となって久しい。

こうした中、海外事業を加速するとともに、セルフ化など決済手段の多様化に対応した事業領域の拡大に向けてアクセルを踏み込んでいる。今回のアクレレック買収もその流れの一環にある。関係各国の許認可を取得したうえで、今春中にも買収完了が見込まれる。

◎グローリーの業績推移(単位は億円)

  19/3期 20/3期予想 21/3期目標
売上高 2357 2300 2600
営業利益 205 170 250
最終利益 122 100

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2020/02/05

2020年1月のM&A件数は適時開示ベースで、前年同月を7件上回る69件だった。1月として2009年以来の高水準。前年のM&A件数が841件と過去10年で最高となった流れを受け継ぎ、好スタートを切った格好だ。