Hamee(ハミィ)はスマートフォンケースをはじめとする周辺アクセサリーの企画・販売と、インターネット通販などの電子商取引(EC)サイト向けサービスを2本柱とする企業。樋口敦士社長が学生時代に起業したベンチャーが源流で、主力2事業をM&Aで成長させている。

携帯電話ストラップの製造・販売で起業

樋口社長は大学3年生の時に「世界一のインターネットスーパーを作ろう」と買い物代行業を手がけたが、注文が集まらず1ヵ月で断念した。傷心のまま旅に出た沖縄で、樋口社長は運命的な出会いをする。天然石の露天商が顧客の夢を聞き、「それを叶えるならこの石を」と即興でアクセサリーにして売っていたのだ。

樋口社長は「天然石なら仕入れ値も安いし、東洋の神秘的なイメージもあるから、いずれはネット通販で欧米向けにも販売できるのではないか」と考え、天然石アクセサリーの製造・販売に乗り出す。すると携帯電話のストラップがよく売れた。

1998年5月に前身のマクロウィル有限会社を設立。東京・渋谷でのリサーチをもとに商品化したハイビスカスの花をつけたストラップが、この年の夏だけで7万〜8万個も売れる大ヒットに。これを受けて同社は携帯電話アクセサリーに特化することになった。

ところが同年暮れに取り込み詐欺の被害に遭い、倒産寸前にまで追い込まれる。残されたわずかな資金を元に1999年8月に自社ECサイト「携帯アクセ市場」を立ち上げ、携帯電話関連(モバイル)アクセサリーのネット通販に乗り出す。これがHameeの祖業である。同社のモバイルアクセサリーは「iFace」ブランドとして展開しており、若年層のユーザーから高い支持を得ている。

祖業のモバイルアクセサリー。ユニークなデザインと機能で高い評価を得ている(同社ホームページより)

同社はモバイルアクセサリー関連のM&Aを2度実施している。2018年8月に韓国子会社を通じて、韓国PNS Holdings Inc.(ソウル)が運営するモバイルアクセサリー事業を2億1500万円で取得した。

Hameeは韓国で「iFace」のモバイルアクセサリーの企画・ネット通販、卸販売を手がけている。PNSが展開するモバイルアクセサリーブランド「PATCHWORKS」事業を取得することにより、「iFace」ブランドの中心支持層である女性に加え、男性まで幅広く訴求できるブランド構築が可能になると判断した。

2019年10月にも同じく韓国子会社を通じて、JEI DESIGN WORKS Inc.(JDW、ソウル)が運営する製品製造事業を3億6000万円で取得した。JDWはプロダクトデザインを受託するなどブランド企画のノウハウを持つほか、「iFace」製品の主要仕入先の1社。

HameeはJDWの製品製造事業を取り込むことで、新たなプロダクトの創出とともに商品の製造原価低減を目指している。