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海上自衛隊不祥事で「艦これ」のKADOKAWA株も上がった?
海上自衛隊横須賀海上訓練指導隊司令の1等海佐が無許可で女性向けに男性を派遣する風俗店を営業した疑いで更迭されたニュースを受け、KADOKAWAが開発した「艦隊これくしょん -艦これ-」がネット上で話題になっている。同時に株価も上がっている。
ブシロード<7803>はトレーディングカードゲームの制作・販売を中心とするコンテンツプロデュース業務を手がけるアニメ・ゲームIP(Intellectual Property=知的財産)ビジネス企業だ。トレーディングカードゲームとは、プレイヤーがコレクションしたカードを持ち寄って対戦するゲームのこと。2007年5月に創業者の木谷高明氏が、カードゲームを開発・販売する目的で設立した。
早くから特定のコンテンツを複数メディアで展開して、派生商品を増やすことにより顧客や市場を拡大する「メディアミックス」に取り組んできた企業だ。「ヴァンガード」シリーズをはじめとするトレーディングカードゲームをベースにしたアニメやモバイルオンラインゲーム、CD・グッズ、ライブ、イベントなどを展開している。その第一歩として2009年3月に響(現ブシロードメディア)を設立し、インターネットラジオ事業とタレントマネージメント事業に参入した。
日本のアニメ・ゲームIPは「世界で勝負できる商材」であり、少子高齢化が進む国内市場にこだわっていては成長は見込めない。そこでブシロードは2010年11月に海外戦略の第一歩として、シンガポールに初の海外法人となるBushiroad South East Asia Pte., Ltd.(現Bushiroad International Pte. Ltd. )を設立。2014年8月には木谷氏が同社に駐在して直接指揮を執るなど、同社の重要なグローバル拠点となっている。
アニメ・ゲームIPビジネスでは、バンダイナムコホールディングス(HD)<7832>という巨人が存在する。同社はウルトラマンシリーズや仮面ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズの3大特撮作品や機動戦士ガンダムシリーズ、ドラゴンボールといった人気アニメ作品のIPビジネスを展開。同社の2020年3月期の連結売上高は7000億円を超え、時価総額は約2兆1000億円の巨大IPビジネス企業だ。
一方、新興のブシロードの同7月期連結売上高は330億円、時価総額は464億円。売上高は20分の1以下、時価総額は45分の1以下だ。正面からぶつかって勝てる相手ではない。そこでブシロードが選択したのがリアルなイベントやライブビジネスの強化だ。
企業名 | ブシロード | バンダイナムコHD |
---|---|---|
企業名 | ブシロード | バンダイ・ナムコ |
売上高 | 330億円 | 7239億8900万円 |
営業利益 | 27億1000万円 | 787億7500万円 |
経常利益 | 27億5500万円 | 797億9700万円 |
純利益 | 15億5100万円 | 576億6500万円 |
1株当たり純利益 | 96.5円 | 262.4円 |
時価総額 | 464億円 | 2兆1232億円 |
決算期 | 2020年7月期 | 2020年3月期 |
海上自衛隊横須賀海上訓練指導隊司令の1等海佐が無許可で女性向けに男性を派遣する風俗店を営業した疑いで更迭されたニュースを受け、KADOKAWAが開発した「艦隊これくしょん -艦これ-」がネット上で話題になっている。同時に株価も上がっている。