日本ペイントホールディングス(HD)<4612>は、2020年4月にグローバル本社機能を持つ東京本社を設置し、大阪と東京の2本社制に移行した。新型コロナウイルスの影響で本格稼働は6月となったものの、当初の計画通り東京本社を中心にグローバル事業全体の統括強化や成長戦略を推進する。 

同社はアジアを中心に海外での事業展開を積極化しており、東京本社の設置を発表した2019年10月時点での海外売上高比率は71%、海外従業員比率は87%に達していた。 

この状況に導いたのは何と言ってもM&Aだ。2019年にトルコとオーストラリアで大手の塗料会社を子会社化したことで、この傾向が一段と強まった。その後は今のところM&Aの実績はないが、東京本社の本格稼働に伴い、今後動きが加速しそうだ。

M&Aは重点施策の一つ

日本ペイントHDは2018年から3カ年の中期経営計画を推進中で、今年(2020年12月期)が最終年に当たる。重点施策の一つとして掲げているのが積極的なM&Aだ。 

この方針に従い、2019年にトルコとオーストラリアで塗料メーカーをそれぞれ1社ずつ子会社化したわけで、合計の取得額は2019年12月期の売上高(約6920億円)の半分近くに迫る3000億円を超え、文字通り積極的なM&Aとなった。 

その一つのトルコでは7月に、約281億円を投じて、建築・工業用塗料メーカー大手のベテックボイヤを子会社化した。 

ベテックボイヤは1988年の設立で、2018年12月期の売上高は約350億円。建築・工業用塗料に加え、断熱材などを手がけている。 

トルコの塗料市場は今後、大きな成長が見込まれており、日本ペイントHDでは「同国のトッププレーヤーを獲得したことで、トルコ市場の高い成長性を享受することが可能となった」としている。 

もう一つのオーストラリアでは8月に、約2917億円を投じて、同国最大手の塗料メーカーであるデュラックスグループを子会社化した。 

デュラックスグループはオーストラリアとニュージーランドの塗料市場で高いシェアを持つ。2018年9月期の売上高は約1480億円で、塗料事業のほか、DIY(日曜大工)用品を手がけている。 

オーストラリアとニュージーランドの塗料市場は今後も安定成長が見込まれている。日本ペイントHDは同社を取り込むことで、世界的に需要規模が大きく成長余地の大きい建築用塗料の事業基盤を強化するという。