ミアヘルサは2020年3月、ジャスダックに株式上場した。名前だけではどんな会社がにわかに分からないが、旧社名は日本生科学研究所(19年4月に社名変更)。1984年に設立し、「日生薬局」のブランドで東京都内を中心に首都圏で調剤薬局を展開し、介護、保育事業を第2、第3の柱とする。その同社が上場後、早速、M&Aを繰り出した。

保育事業を成長ドライバーに

ミアヘルサは7月1日付で、「マリー保育園」の名称で都内と神奈川県で認可保育園6園を運営する東昇商事(東京都品川区)の全株式を取得し、子会社化した。これによりミアヘルサが運営する保育園は既存の26園(東京19、神奈川3、千葉4)と合わせて32園となった。取得価額は明らかにしていない。

東昇商事は2016年に横浜市内に「マリー保育園」の第1号を開設し、現在、神奈川県3園、都内3園まで拡張した。2020年3月期の売上高は5億7700万円で、前期より6割近く伸ばした。

「保育事業が成長のドライバー(駆動力)になる」。ミアヘルサの青木勇社長はジャスダック上場時の3月、TOKYO MXの「東京マーケットワイド」に出演し、こう述べた。今回、保育事業の東昇商事を傘下に収め、有言実行で示した格好だ。

7月1日付でグループした「マリー保育園」(写真は東京・白金)

ミアヘルサの2020年3月期は売上高3.4%増の166億円、営業利益61.7%増の3億5200万円、最終利益28.3%増の4億3500万円。売上構成をみると、調剤薬局事業が全体の57%を占め、介護事業20%、保育事業18%と続く。

なかでも保育事業は存在感を急速に増している。売上高13.6%増の32億2500万円、セグメント利益41.8%増の3億2600万円と、全社業績を下支えするまでになっており、青木社長が「成長のドライバー」と位置づけるのもこのためだ。

初の本格的なM&Aに取り組む

保育事業をめぐっては子育て家庭の共働き率が上昇する中、高水準の需要が続いている。待機児童が最も多い首都圏での保育ニーズにこたえ、事業拡大を目指す。厳しい採用環境にありながら毎年、保育士の安定確保を実現。4月には御徒町、亀有(いずれも都内)、新船橋北(千葉県船橋市)の3園を開園した。前年も3園をオープンし、開園ピッチが上がっている。

こうした流れの中、取り組んだのが「マリー保育園」を運営する東昇商事の子会社化だ。実は日本生科学研究所時代を含めてミアヘルサにとって本格的なM&Aは初めて。今回、株式上場のタイミングをとらえ、満を持してM&Aを実行に移した。

2006年に給食普及会(東京都足立区)を子会社化(2011年に吸収合併)した。しかし、給食普及会は元々、日本生科学研究所の設立以前から青木社長が経営に携わっていた会社で、ゼロベースでのM&Aとは言い難い面がある。

まだ売上比率は5%に満たないが、給食普及会を引き継ぐ食品事業は現在、足立区・葛飾区の公立小中学校約170校への給食用食材の供給を主力に、保育園や介護施設にも食材を届ける。また、宅配寿司チェーン「銀のさら」の加盟店として3店舗を展開する。

◎ミアヘルサの主な沿革

1984東京都豊島区に薬局経営を目的に日本生科学研究所を設立
1998東京女子医科大の門前薬局として「日生薬局河田町」を出店
1999介護事業部を設置し、居宅介護支援。福祉用具サービスを開始
2006給食普及会(東京都足立区)を子会社化
2011給食普及会を吸収合併し、食品事業部を設置
保育事業部を設置、都認証保育園「日生赤羽駅前保育園ひびき」開園
埼玉県和光市にサービス付き高齢者向け住宅「日生オアシス和光」開業
2015埼玉県吉川市に介護付き有料老人ホーム「日生オアシス吉川」開業
2019ミアヘルサに社名変更
20203月、ジャスダック上場
 〃7月、「マリー保育園」の東昇商事を子会社化