「コロナ禍」の終息が見通せない中、定時株主総会を延期する上場企業が相次ぎ、すでに20社を超える。感染拡大の影響で決算確定や監査に遅れが生じていることなどから、決算期末から起算して3カ月以内に総会を開催するめどが立たないためだ。延期以外に、決算承認を後日行う「2段階方式」の採用を決めた企業も次第に広がっている。

日立、7月下旬以降に総会を延期

日立製作所は13日、2020年3月期決算発表の5月29日実施と、この決算手続きの遅れに伴い、定時株主総会を7月下旬以降に延期する方針を発表した。同社は例年、決算発表を大型連休前の4月末に、株主総会を6月後半に行っており、それぞれ1カ月の遅れとなる。

日立本社(東京駅前)

日立は4月10日、決算発表を5月中旬以降に決算発表を実施する方針を明らかにしていた。新型コロナの感染拡大を受け、世界各地でロックダウン(都市封鎖)が始まり、海外子会社などの決算数値の確定作業が遅延していたのを踏まえた措置で、この時点で株主総会の延期が避けられない情勢だった。

決算発表は決算期末から45日以内に行うのが東京証券取引所のルール。日立のように3月期決算会社だと通常は5月15日までだが、今回は新型コロナの影響を考慮して柔軟な運用が認められた。一方、株主総会は会社法で、決算期末から一定の期日に開くことが求められており、大部分の企業は定款で3カ月以内と定めている。

13日にはほかに、日立建機、日本電波工業が株主総会の延期を決めた。いずれも海外子会社での決算手続きの遅れが総会日程に響くのが理由だ。新たな日程について、日本電波は「8月31日までの日の午前10時、本社会議室」としている。

オリンパスは配当基準日も変更

すでに株主総会の延期を発表した上場企業は5月13日までに23社(2月期決算会社を2社含む)を数える(表参照)。2300社超の3月期決算会社の1%程度に過ぎないが、決算発表延期は5月半ばを迎えてもなお続いており、総会延期が広がるのは必至の情勢だ。

株主総会の延期に伴い、株主が議決権を行使できる基準日が新たに設定される。配当の基準日は当初期日を維持するところが大半だが、オリンパスなど数社は変更を決めたため、決算期末を過ぎて株式を手放した場合は期末配当を受け取る権利がない。

◎定時株主総会延期を公表した企業(太字は2月期決算会社)

発表 社名 総会開催日 議決権基準日 配当基準日
5月13日 日立製作所 7月下旬以降 5月28日 3月31日
日立建機 7月以降 5月31日 3月31日
日本電波工業 8月末まで 5月31日
12日 フォーバル 5月31日 3月31日
フォーバルテレコム 5月31日 3月31日
凸版印刷 7月21日 5月31日 3月31日
ぱど6/18→6/303月31日
11日 リプロセル 7月以降
プレステージ・インターナショナル 7月下旬 6月10日 3月31日
7日 音通 7月下旬 5月25日 3月31日
ワイズテーブルコーポレーション 7月下旬 5月31日 3月31日
レオパレス217月以降 5月28日
4月30日 日本板硝子 7月以降 6月4日 3月31日
オリンパス 7月下旬 5月31日 5月31日
28日 ジャパンディスプレイ 8月末まで6月30日
サンリツ 7月以降 5月31日 5月31日
ブロードメディア7月下旬5月31日
27日サマンサタバサジャパンリミテッド6月下旬 5月12日
24日 サンデンホールディングス 7月以降
23日 ナンシン 7月以降 5月31日 5月31日
22日 スカパーJSATホールディングス 7月30日 5月31日 3月31日
18日 東芝 7月以降 5月15日 3月31日
7日 ディップ 7月29日 4月30日 2月29日