メルカリ<4385>によるスマホ決済サービスOrigami(東京都港区)の子会社化をきっかけに、業界の動きが慌ただしくなりそうだ。 

KDDI<9433>は2020年2月4日に、au WALLET アプリをau PAY アプリに名称変更するとともに、au PAY アプリを一つのアプリで家計や日常生活にかかるすべての入口となる、金融サービスに強い“スーパーアプリ”に育てる。

スマホ決済サービスであるau PAYを前面に押し出すとともに、au PAYを通じてさまざまなサービスを提供することで、他のスマホ決済サービスと差別化するのが狙いだ。

大規模なキャンペーンで話題を集めたPayPayは最近、キャンペーンが小型化しており、楽天ペイやLINE Payにも今のところ目立った動きは見られない。メルカリに次ぐ業界再編の動きや、KDDIに続くサービスの拡充などの動きが今後表面化しそうだ。 

公共料金の支払いも可能に

KDDIはau WALLET アプリをau PAY アプリに変更するほか、プリペイドカードやクレジットカード、少額ローンなどについても、名称の中のau WALLETをすべてau PAYに変更する。 

au PAY アプリのトップ画面にau PAYの決済コードを表示できる機能を追加するほか、3月に公共料金の支払いや、おつりを利用した少額株式投資などを可能にし、5月にKDDIが付与するポイントを1億超の会員を抱えるPontaポイントに切り替える。 

さらにその後も飲食店の事前注文や、タクシーの配車予約などの手続きをアプリ内で完結できるサービスを始めるなど、さまざまな対策を次々に打ち出すことで、スマホ決済サービス事業での生き残りを目指す。 

KDDIは2014年にau WALLET アプリの提供を始め、2019年4月にau PAYを投入した。現在au PAYの会員数は2200万人を超えており、すでにau PAYを通じて円預金や外貨預金、投資信託、住宅ローン、終身医療保険、国内・海外旅行保険、ペット保険などの金融サービスを提供している。 

KDDIは2019年9月に、LINE Pay、メルペイ、NTTドコモ<9437>の3社が進めていた、それぞれの加盟店でそれぞれのスマホ決済サービスを使用できるようにする「MoPA」事業に参画したが、LINEがPayPayの親会社であるZホールディングス(旧ヤフー)<4689>と経営統合することになったため「MoPA」の活動が2019年12月に終了し、新たな施策を打ち出す必要に迫られていた。 

「MoPA」事業に関してはスマホ決済サービスであるd払いを運営するNTTドコモもKDDIと同じ状況にあるため、今後他のスマホ決済サービス業者との連携やサービスの拡充などの動きが見込めそうだ。

文:M&A Online編集部