新型コロナウイルスの感染拡大で飲食業への影響が深刻化する中、堅調だった牛丼にも陰りが出てきた。 

牛丼チェーン店のすき家と松屋の2020年3月の既存店の売上高、客数(4月2日時点で吉野家は未発表)が、いずれも前年実績割れとなった。

前月(2020年2月)は新型コロナウイルスの影響を跳ね返し、今年度(2019年4月-2020年3月)初となる売上高、客数ともに2ケタの高い伸びを達成した両社だが、3月は2月のように快進撃を続けることは難しかったようだ。

テイクアウト、デリバリーが業績を左右

すき家の既存店の3月は売上高が前年同期比92.2%、客数は同91.4%にとどまった。松屋も既存店の3月は売上高が96.0%、客数が同94.7%となった。両社とも前年度割れの理由を明示していないが、新型コロナウイルスの影響が出ていることは想像に難くない。 

すき家は小、中学校、高校などが休校となった3月については従業員が無理なく働けるようにするため、一部店舗で牛丼のみの販売や、営業時間短縮や休業などを実施するとしていた。松屋は営業時間の短縮や休業などについては公表していない。 

帝国データバンクによると、2020年4月1日17時時点で判明している新型コロナウイルス関連の倒産は31件で、このうち旅館やホテル、旅行業、クルーズ船などの観光関連事業が13件と最も多く、次いでレストランやラーメン店などの飲食関連事業者が10件。 

東京都など感染者の多い自治体では新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、不要不急の外出を控えるように呼びかけており、飲食業界への影響はまだまだ拡大しそう。このためテイクアウト商品の投入やネットでの注文受け付けなどに乗り出す飲食事業者が増えてきた。 

すでに吉野家はテイクアウトに限り、牛丼の並盛を通常税込み価格 380円を同300 円で販売しており、店内での受け取り時間短縮のためスマートフォンから事前に注文を行えるシステムも導入している。 

また創作串揚げ&Wine一條家を運営する一條家(東京都港区)は4月2日に、感染症拡大防止のため店内での飲食営業を臨時休業し、テイクアウトやデリバリー(Uber Eats)に切り替えた。さらにマイカーの顧客については店舗近辺の指定場所での受取りも可能にした。 

今後、飲食業界ではこうした取り組みや工夫の有無が業績を左右することになりそうだ。

文:M&A Online編集部