民間信用調査会社の帝国データバンクによると、2020年4月27日に新型コロナウイルス感染症(COVID−19)関連の倒産が全国で100件に達した。業種別では、ホテル・旅館・民泊などの宿泊業者が21件と、2位の飲食店(11件)を大きく上回った。

5県でコロナ倒産の第1号に

注目されるのは、各県でコロナ倒産第1号になっていること。福島県(を含めた東北地方でも)、長野県、茨城県、鹿児島県、山口県の5県で宿泊業者が真っ先にコロナ禍で倒産に追い込まれたのだ。

同日、大阪地方裁判所に民事再生法の適用を申請したWBFホテル&リゾーツは負債総額約160億円と、全業種でも最大のコロナ禍倒産となっている。なぜ、ここまで宿泊業者は感染症の拡大に脆弱なのか?

もちろん最も大きな要因は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う旅行の減少である。ビシネスの出張も激減したが、倒産した宿泊施設の多くは観光客相手の旅館やホテルだ。とりわけ中国や韓国などからのインバウンド(訪日観光)客が主力だった宿泊業者の倒産が目立つ。

コロナ禍で真っ先に減少したのが国内観光客ではなく外国人観光客だったため、インバウンド需要に依存していた宿泊施設が先に力尽きたようだ。今後は「書き入れ時」のゴールデンウィーク需要が自粛により消滅する国内観光客相手の宿泊施設で、倒産が続出する可能性がある。

新型コロナウイルス感染症拡大で客足が遠のくが…

もっとも今のところ、コロナ禍の直撃だけで倒産した宿泊事業者は少ない。長年の赤字決算債務超過などで収益が悪化していた企業が、COVID-19でとどめを刺された格好だ。雪不足や火山の噴火といった自然現象の影響で体力が弱ったところへパンデミックに見舞われたという不運な企業もある。

業績が悪化した企業を引き受けたものの、業績が好転しなかった宿泊事業者も多い。買収が繰り返された末にまたも倒産した宿泊施設もある。もちろん買収で再生した旅館やホテルも多いので、経営再建のコンセプトと運営方法を間違ったということだろう。

<次ページに主なコロナ倒産ホテル・旅館の一覧表>