帝国データバンク(東京都港区)は、2020年3月11日13時時点で判明している新型コロナウイルスの影響を受けた倒産(法的整理または事業停止)が全国で8件になったと発表した。

エリア別に見ると近畿が3件で最も多く、北海道、東北、北陸、中部、中国がそれぞれ1件ずつだった。

もともと経営難、厳しい経営環境に置かれていた企業に、新型コロナが追い打ちをかけた格好となった。

帝国データバンクは「今後はエリアの拡大や、新型コロナが主要因となる倒産、連鎖倒産の発生が懸念される」としている。

観光関連に加え、学習塾や雑貨店、コロッケ製造販売も

負債額が最も多かったのが、神戸港クルーズ船ルミナス神戸2を運航するルミナスクルーズ(神戸市、負債額は12億4300万円)。台風などの自然災害による運航中止が相次ぎ、収益が悪化していたところに新型コロナの余波で多数のキャンセルが発生したことで自主再建を断念した。

同じ神戸港クルーズ船コンチェルトを運航する神戸クルーザー(神戸市)の親会社であるファースト・パシフィック・キャピタル(東京都目黒区)が再建を支援するという。

2番目は旅館経営の冨士見荘(愛知県蒲郡市、同7億円)。中国人ツアー客の受け入れで業況改善に取り組んでいたが、新型コロナの影響で予約キャンセルが相次ぎ、事業継続が困難となった。

3番目も旅館業の田村屋旅館(福島県猪苗代町、同4億2000万円)。1886年創業の老舗だが、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の影響で宿泊客が減少していたところに、今年は暖冬の影響でスキー客が減少し、さらに新型コロナ感染拡大による宿泊客のキャンセルが相次ぎ、民事再生法の適用を申請した。

このほか学習塾の志学アカデミー(富山市、同3億3400万円)、国内旅行業の愛トラベル(広島市、同2億円)、和装製品卸、着物レンタルの京洛和蒼(京都市、同1億5000万円)、雑貨店の愛織(大阪市、同1億円)、コロッケ製造販売の北海道三富屋(北海道栗山町、同7400万円)が破産手続きや自己破産申請などを行った。

8件中5件(クルーズ、旅館2、旅行、着物レンタル)が観光関連で、観光客の減少が響いた。学習塾はテストや模試の中止を余儀なくされたことが、雑貨店とコロッケ製造販売は来店客数の減少が経営破綻の要因となった。

文:M&A Online編集部