新型コロナウイルスの感染拡大が企業活動のさまざまな場面に影響を及ぼしている。27日はバッグやジュエリー(宝飾品)のブランドで知られるサマンサタバサジャパンリミテッドが5月下旬に予定していた定時株主総会の開催を6月下旬に延期することを発表した。この日はまた、企業買収の日程や持ち株会社制への移行日を延期する動きもあった。

サマンサタバサも追随

2月期決算企業のサマンサタバサは例年、4月前半に決算発表を行い、5月下旬に定時株主総会を開いている。今年は新型コロナによる在宅勤務の拡大などで決算確定作業に遅れが生じているとして5月1日に決算発表を延期。こうした状況を踏まえ、決算を承認する株主総会の開催を延期することにした。

6月下旬への株主総会延期に伴い、議決権行使の基準日は2月末から5月12日に変更。株主にとって気になるのは期末配当の基準日がどうなるかだが、2020年2月期は4期連続の最終赤字により13期ぶりに無配に転落することから、その意味で考慮に入れる必要がなくなった。

サマンサタバサは赤字脱却が最大の経営課題となっているが、新型コロナ禍で国内257店舗の大部分が休業中で、今期(21年2月期)も厳しいスタートを強いられている。

同じ2月期決算の上場企業では4月初め、求人情報会社のディップが5月下旬に予定していた定時株主総会を7月29日にほぼ2カ月延期することを発表しており、サマンサタバサが2社目だ。

6月下旬に株主総会本番を迎えるのが2300社余を数える3月期決算の上場企業。連日、決算発表の日程を延期(1~2週間)する動きが広がっており、27日だけでおよそ60社、合計ですでに約340社に上る。現時点で株主総会の延期を決めたのは東芝など数社あるが、今後、追随の動きが広がることが予想される。

ヨシムラ・フード、ポートはM&Aを延期

子会社化の日程を延期したのはヨシムラ・フード・ホールディングス。同社は27日、わかめ、ひじき製品などの加工販売を手がける香の芽本舗(島根県出雲市)の全株式取得の実行予定日を当初の5月1日から6月1日に1カ月延期すると発表した。新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言を受け、少数株主から株式を集約するための手続きに時間を要したことが主な理由だ。

新型コロナを理由とする同様のケースは今月、他にも出ている。ネットメディア運営のポートは5月1日付で予定していたリブセンスからの新卒就活生向け情報サイト「就活会議」の買収を一時的に延期した。買収方針に変更はないとしている。

今秋の持ち株会社への移行にも響く

一方、石塚硝子は27日、9月を目指していた持ち株会社制移行の延期を発表した。すでに分割準備会社を設立しているが、新型コロナの影響で持ち株会社への移行準備に当初見込み以上の期間を要することが判明したという。

大崎電気工業も先に、10月を予定していた持ち株会社制移行のスケジュールを延期したばかり。新型コロナのリスク対応を最優先に取り組んでおり、十分な人的リソースを充当することが困難だとして、延期はやむを得ないと判断した。

文:M&A Online編集部