新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大で、慢性的な品薄が続いていた不織布マスクが手に入りやすくなりつつある。意外にもドラッグストアやスーパーマーケット、コンビニエンスストアといった「一般ルート」ではなく、これまでマスク販売とは縁がなかったアクセサリーや雑貨などを販売する店に並ぶようになったという。東京都心では購入個数の制限なしで買える不織布マスクの露天商まで現れた。

中国からの輸入再開でマスク供給は回復へ

不織布マスクが店頭に並び始めた最大の要因は、マスク生産大国である中国での製造再開だ。世界で最も早く新型コロナウイルス感染症が拡大した中国だけに、回復が早いのも当然だろう。

中国人民銀行が2020年4月10日に発表した同3月末時点の現金通貨と国内銀行に預けられた預金を合計したマネーサプライ(M2)は、前年同月比10.1%増の208兆900万元(約3170兆円)となり、資金調達規模も5.1兆元(約77兆円)と好調だった。同月に現地の製造業が再び回り始めた証拠だ。

4月に入ってからは中国製不織布マスクの輸入も本格的に再開され、4月中旬には一般企業など法人向けの販売が再開している。

ただ、同4月7日に新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が発令されたため、国民の間では「マスクは必需品」との意識が強く、依然として一般消費者向けのマスク需給は逼迫しており品切れも続く。

しかし、日本では自作の布マスクが普及したのに加えて、一斉休校や在宅勤務の増加、外出自粛などで一般家庭で不織布マスクを使う機会が減少。すでに需要のピークは越えたとの見方がもっぱらだ。

「おこもり生活」で布マスクを自作して利用する人も増えた(不織布キッチンペーパーをフィルターにした布マスク)

「店頭でマスクを見つけたら、とりあえず買っておこう」と買いだめに走る消費者も、いつ見ても店頭に並んでいる状況になれば「足りなくなってから買えばいい」と考えるようになる。3月にはドラッグストアやスーパーなどの店頭に出せば「あっという間に消えていた」トイレットペーパーが、今や山積みのまま残っているのと同じ状況になるだろう。