新型コロナウイルスの影響が日に日に強まってきた。帝国データバンクが3月24日10時時点でまとめた新型コロナウイルス関連の倒産は13件で、観光関連業(5件)や飲食業(3件)が厳しい状況に陥っている。

そんな中、旅行会社にも深刻な影響が現れてきた。すでに倒産した企業があるほか、業績悪化に伴う赤字転落や希望退職の募集などが表面化してきた。

米国では新型コロナウイルス対策として、2兆ドル(約220兆円)の景気刺激策が検討されており、日本でも大規模な企業支援策が必要となりそうだ。

近畿日本ツーリストのKNT-CTが98億円の当期赤字に 

大手旅行会社の近畿日本ツーリストなどを傘下に持つKNT-CTホールディングス<9726>は3月24日に、2020年3月期の当期損益が20億円の黒字予想から98億9000万円の赤字に転落する業績の下方修正を発表した。当期損益が赤字に陥るのは2017年3月期以来3期ぶり。 

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、個人旅行、団体旅行ともにキャンセルや自粛が続いているほか、これに伴うソフトウエアなどの減損損失として約18億円の特別損失を計上することなどが要因という。 

当期以外の損益も悪化しており、営業損益は35億円の黒字から33億円の赤字に、経常損益は36億円の黒字から33億8000万円の赤字に陥る。売上高予想も325億円減の3900億円に引き下げた。売上高が4000億円を下回るのも2017年3月期以来3期ぶり。 

インバウンド(訪日外国人旅行)専門の旅行会社HANATOUR JAPAN<6561>は3月24日に希望退職者の募集を行うことを決め、即日実施した。 

日韓関係の悪化に伴い業績が悪化していたところに、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って事業環境が急激に悪化していることから全社員(2019年6月に174人)の約17%に当たる30人ほどを募集する。 

募集期間は3月30日までで、退職日は4月30日。希望退職者に対して特別加算金を支給する。 

国内旅行を手がける愛トラベル(広島市)は、3月10日に広島地裁に自己破産を申請した。帝国データバンクによると、厳しい資金繰りが続いていた中、新型コロナウイルスの影響で予定したツアーの中止が相次いだため、経営継続が不可能になったという。 

政府の要請に応じた外出自粛の広まりとともに、旅行会社の経営は苦しくなる一方。今後、倒産や希望退職、赤字転落などが急増しそうだ。

文:M&A Online編集部