スポーツクラブファンにとって衝撃のニュースが米国から飛び込んできた。「ゴールドジム」を世界で展開する米ゴールドジムインターナショナルホールディングス(GGI、テキサス州)の経営破綻だ。理由は新型コロナウイルス感染拡大を受けた店舗休業に伴う経営悪化。

FC運営、直接的な影響は回避か

気になるのは100店近くある日本国内の店舗への影響だが、国内企業がフランチャイズ(FC)で運営していることから直接的な波及は避けられる見通しだ。

ただ、コロナの終息が見通せない中、国内スポーツクラブ各社にとって営業がいつ再開できるのかは未知数で、ゴールドジム・ショックは決して対岸の火事ではない。

GGIは5月4日、米連邦破産法11条の適用をテキサス州の裁判所に申請したことを発表した。同11条は日本でいう民事再生法に相当し、現経営陣が続投しながら経営立て直しを目指す手法。発表文によると、8月1日までに裁判所に再生計画を提出する。

GGIは約30カ国・700カ所で300万人のメンバーを持ち、世界最大級のスポーツクラブとして「ゴールドジム」ブランドは絶大だ。米国以外のFC店舗に対しては「サポートを継続する」としている。

日本では1995年に1号店

ゴールドジムは1965年、カリフォルニア州で第1号店がオープン。アーノルド・シュワルツェネッガー主演のボディービルダーのドキュメンタリー映画「パンピング・アイアン(鋼鉄の男)」(1977年公開)の舞台となったことで、その名が世界に知れ渡った。

日本でゴールドジムを運営するのはTHINKフィットネス(東京都江東区)。1995年、第1号店「ゴールドジム イースト東京」を都内に開設した。直営店と並行して、1998年には日本でのFC本部機能を担うマスターFC契約を結び、FC展開にも乗り出した。

現在、ゴールドジムは北海道から九州まで97店舗(直営67、FC30)を数え、コナミスポーツ、セントラルスポーツ、ルネサンス、ティップネスなどに続く業界ポジションを獲得している。

ゴールドジムはボディービルを連想する筋肉系ジムの印象があるが、日本ではエアロビクスの“殿堂”として一目置かれている。エアロマニアの会員がことのほか多く、レッスンの難易度は他を寄せつけないとの評がもっぱらだ。

今回の本家・GGIの破綻について、運営会社のTHINKフィットネスは5日、「FCである日本におけるゴールドジムの運営への影響はありません。当社とGGIは資本関係は一切なく、引き続き店舗の営業再開に向けて準備を進めてまいります」とのコメントを発表した。

旗艦店のゴールドジム原宿東京(東京・神宮前、撮影は2020年3月)

スポーツクラブ各社…対岸の火事ではない

ゴールドジムに限らず、国内スポーツクラブ各社は4月7日の「緊急事態宣言」を受け、5月6日をめどに全面的な臨時休業に入った。しかし、5月4日の宣言延長で月内の営業再開の道筋は事実上断たれた形だ。

スポーツクラブ各社は目下、休業の長期化で売上高が蒸発したのと同然で、経営悪化が避けられない。主要クラブの多くは上場企業であったり、大手企業の一事業部門であったりするが、それでもきつい。中堅クラスや独立系ではなおさらだ。

今回のゴールドジム・ショック、海の向こうの出来事だが、決して対岸の火事でないことは明らかと言わざるを得ない。

文:M&A Online編集部