2023年第1四半期(1~3月)のM&A件数(適時開示ベース)は275件と、前年を38件上回る高水準で推移した。率にして16%増。国内案件が堅調だったうえ、コロナ禍で落ち込んだ海外案件も年明けから増勢が続いている。
取引金額は前年を4209億円上回る2兆5892億円。東芝の株式非公開化を目的とするTOB(株式公開買い付け)が2兆円規模に達し、突出した。この東芝を除けば、総じて案件規模が小型化している...
2023年第1四半期(1-3月期)の日本企業が関与するM&A公表案件は総額5.3兆円と前年同期比で18.5%増加し、2018年以来の堅調な滑り出しとなった。しかし日本関連M&A全体の案件数は1129件と前年同期比で11.1%減少した。
2023年1月のM&A件数(適時開示ベース)は93件と前年同月を29件上回り、好調な滑り出しとなった。前年比プラスは6カ月連続。一方、取引金額は1352億円で、昨年7月(623億円)以来の低水準。件数が大幅に伸びた割に金額は振るわなかった。
日本企業が関与したM&Aは、速報値ベースで今年に入ってから14.8兆円に達し、2021年比24.7%減となり、2014年(11.1兆円)以来の低水準となった。リフィニティブ(Refinitiv)が集計した。
第3四半期のTOBは件数、金額ともに第3四半期としては2年ぶりの増加。年間累計では件数が前年通年の70件まであと22件だが、4年ぶりに減少する見通し。取引金額では第3四半期で追い上げて1兆544億円となったが、2年連続の減少となる可能性も。