国内上場企業のM&Aが活況に沸いている。2024年上期(1~6月)のM&A件数は607件(適時開示ベース)と前年を106件上回り、2年連続の年間1000件の大台達成に早くも“当確”が出た形だ。では、この前半戦、最も多くのM&Aを手がけたのは企業だったのか?
2024年上期(1~6月)のM&A件数(適時開示ベース)は、前年同期比106件増の607件で、16年ぶりに年間1000件を突破した2023年を大きく上回るペースとなった。一方、取引額(公表分を集計)は同7.2%減の4兆8994億円だった。
2024年の上場企業によるM&A件数(適時開示ベース)が5月末で早くも500件を突破した。昨年より1カ月速いペースで、過去10年でも最速だ。アフターコロナの到来を背景に、昨年のM&A件数は16年ぶりに年間1000件の大台に乗せる快挙となったが、今年に入って増勢がさらに強まっている。
2024年4月のM&A件数(適時開示ベース)は前年比22件増の95件となり、7カ月連続で上回った。取引金額は約3760億円の大型案件、100億円超1000億円未満の案件が8件発表されたことで前年同月の約2倍となる6829億円(前年同月は3499億円)に。1~4月の累計は410件で前年同期比56件増となり、16年ぶりに年間1000件を突破した前年を上回るハイペースでM&Aが活発に行われている。
上場企業の海外M&Aが好調に推移中だ。2024年第1四半期の件数は60件(適時開示ベース)で、前年を6件上回った。前年の海外M&Aはアフターコロナの到来を追い風に年間216件と7年ぶりに200件台に乗せたが、今年も増勢を保っている。
2024年第1四半期(1~3月)のM&A件数(適時開示ベース)は315件と前年を40件上回るハイペースで推移した。2年連続の年間1000件の大台達成に向けて好発進した形だ。一方、取引金額は前年比0.7%減の2兆5969億円とほぼ横ばい。
2024年3月のM&A件数(適時開示ベース)は前年同月比13件増の118件となり、前年同月を6カ月連続で上回った。1-3月の累計も16年ぶりに1000件の大台を突破した2023年を40件上回る315件とハイペースで件数を重ねている。
2024年2月のM&A件数(適時開示ベース)は前年同月比21件増の98件となり、過去10年で最多を記録。取引総額は1兆775億円と2か月連続で1兆円を超えた。上位にはMBO(経営陣による買収)が並び、金額未確定・非公表ながらドラッグストアが関わる大型案件も連続した。
水産品の買い付けや加工のほか、すしネタなどの生食商材などを取り扱う極洋が、適時開示(投資判断に影響を及ぼす事実が発生した場合は適時開示が必要)ベースで、16年ぶりとなる企業買収に乗り出した。
2024年1月のM&A件数(適時開示ベース)は99件で前年同月を6件上回る好調な滑り出しとなった。年明け1月として過去10年で最多となった。1000億円超のクロスボーダー案件が複数出たことで、取引総額も1兆円を超えた。