昭和電工が9640億円で日立化成を買収

ハイライトが訪れたのは18日、3件の大型M&Aが集中した。

昭和電工は日立製作所傘下で東証1部上場の日立化成をTOBで完全子会社化すると発表した。買収金額は9640億円。今年の日本企業がかかわるM&Aとして、豪ビール大手の約1兆2000億円で買収するアサヒグループホールディングスに次ぐ2番目の規模だ。

日立化成は1962年に日立から分離独立し、半導体や自動車電池などに使われる機能材料に強みがある。昭和電工は電子材料用高純度ガスやハードディスク、黒鉛電極などの製造を手がける。子会社化後、昭和電工の連結売上高は1兆7000億円規模となり、三井化学と入れ替わり、三菱ケミカルホールディングス、住友化学に続く化学業界3位に躍進する。

親会社の日立は51%強の全保有株式を約4900億円で売却する。同じ日、その日立は画像診断関連事業の売却も発表した。

買い手はヘルスケア事業の拡大を急ぐ富士フイルムHD。買収金額は1790億円で、日立が展開するCT(コンピューター断層撮影装置)、MRI(磁気共鳴画像装置)、超音波診断装置などの製品群を取り込む。富士フイルムHDは11月初めに、いったん合意しながらその後1年半にわたって混迷状態にあった米ゼロックスの買収を断念したが、M&A路線が健在なことを改めて印象づけた。

富士フイルムHD…日立から画像診断関連事業を1790億円で取得へ

いすゞ、ボルボ子会社のUDトラックスを傘下に

もう一つは、いすゞ自動車。スウェーデンの商用車大手ボルボの子会社であるUDトラックス(旧日産ディーゼル工業、埼玉県上尾市)の買収で、2020年末までに完全子会社化を目指す。買収金額は今後精査するが、いすゞはUDトラックスの事業価値について2500億円程度と見積もっている。

乗用車だけでなく、商用車分野でも電動化や自動運転など「CASE」と呼ばれる先進技術への対応が急務で、協業を推し進める。UDトラックスは旧日産ディーゼル工業時代の2007年にボルボの傘下に入り、2010年に現社名に変更した。

ちなみに、昨年12月は買収金額1000億円超の案件は4件あり、このうち日立製作所がスイス重電大手ABBから送配電事業を取得(7140億円)、大正製薬ホールディングスが一般医薬品の仏UPSAの子会社化(1823億円)が年間ランキングの3位と9位に入った。

今年12月の1000億円超の大型案件はすでに5件と、月別でも10月の4件を上回る今年の最多。2019年も残すところ実質的に1週間だが、駆け込みでトップ10に食い込むM&A案件が出てくるのか。

文:M&A Online編集部