日本M&Aレビュー 2019年第2四半期|フィナンシャル·アドバイザー
2019年1-6月期の日本関連M&A公表案件は8.6兆円と、過去最高を記録した前年同期から66.2%減少となった。1,000億円超の案件は23件、総額5兆円が公表され前年同期比では76.2%低下した。全体の案件数は1,763件と前年同期比14.2%減少したものの、過去10年で比較すると2番目の高水準だった。
ターゲット側の業種別でみると、ハイテクノロジーが2.2兆円と全体の26.1%を占めて首位となった。続く金融とヘルスケアは、それぞれ1.2兆円、1兆円を記録し、合わせて26.3%を占有した。
マーケット別でみると、最も活発だったのはIN-OUT案件で、4.3兆円と前年同期比67.7%減となったが、2010年以降でみると3番目の高水準となった。4-6月期では、日本ペイントホールディングスによるデュラックスグループ買収案件(3,246億円)、日立製作所によるJRオートメーションテクノロジーズ買収案件(1,594億円)が公表され市場を牽引した。日本は海外企業の買収国としては米国、フランスに次ぐ3位、中国は9位。
国内案件は前年同期比30.4%減の3.1兆円、過去10年でみると3番目に高い規模となった。今期の国内最大案件は、ソフトバンクによるヤフーの連結子会社化案件で、ヤフーの自社株買い案件(5,264億円)及びソフトバンクに対する第三者割当増資案件(4,564億円)が寄与した。
完了案件は、前年同期比104.8%増となる19.5兆円、案件数は1,190件に達した。
2018年度(2018年4月-2019年3月)のM&Aは件数が830件、取引金額が12兆7069億円となり、いずれも2009年度以降の10年間で最も高い数字となった。