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​2019年第1四半期 TOBプレミアム分析レポート

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1.2019年第1四半期のTOB総評

TOB件数(累計)は、公表ベースで15件と前年同期 (8件)より大幅増となった。(表1)
◆当四半期の公表案件としては注目されるのは以下のとおりである。(表2)

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対象会社 買付者 内容
デサント 伊藤忠商事 「相手の合意なしで行う敵対的TOBとして日本の主要企業同士で初の成立例」とされる。目標買い付け数上限の721万株に対して、応募数は2倍以上の1511万株に達した。創業家出身の石本雅敏社長は退任し、新社長には伊藤忠の小関秀一専務執行役員が就任。韓国市場偏重を変えない石本体制に伊藤忠の不満が募ったことが、TOBのきっかけとなった。
ネットイヤーグループ NTTデータ ネットでの販売促進や電子商取引(EC)サイトの構築を手がけるネットイヤーグループを子会社化し、NTTデータが得意とするビッグデータを活用した販促関連システム構築やサービスの強化を狙った。とりわけデザイン性の高さには定評があり、一般消費者(コンシューマー)市場を視野に入れたTOBとみられる。
廣済堂 ベインキャピタル 廣済堂は米投資ファンドのベインキャピタルと組んでMBO(経営陣が参加する買収)の一環としてTOBを実施したが、2019年2月初めに旧村上ファンド系の投資会社であるレノによる株買い占めが表面化。3月後半にはレノのグループ企業である南青山不動産が廣済堂へのTOBを宣言した。これらによって廣済堂の株価は急上昇し、ベインキャピタルによるTOBは不成立に終わる。

◆当四半期の総プレミアム平均値は31.45%となっている(表3)。50%を超えるプレミアムのTOBは廣済堂/ベインキャピタル(不成立)と、ネットイヤーグループ/NTTデータの2件(表4)。

※2019年1月1日から2019年3月31日に公開買付が開始された案件を集計対象としている。ただし自社株TOBは対象外である。
※プレミアム算定に採用している株価は特に断りがない限り、公表日前3ヶ月平均株価(終値)としている。
※プレミアム算定に非上場企業、不成立の案件は含まれない。

2.TOB件数の推移◆表1 TOB件数の推移(届出ベース、公開買付開始日が2019年1月1日~3月31日)

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伊藤忠商事によるTOBに対し、デサントが「反対」を表明した。これにより敵対的TOBであることが正式に確定した。対抗策としてデサントの意向を受けた友好的な第三者(ホワイトナイト)が現れるのか。TOB攻防戦に発展する可能性が出てきた。