2023年5月のM&A件数(適時開示ベース)は前年を1件上回る79件だった。5月として過去10年で最も高い水準で、国内、海外案件とも好調に推移した。1~5月累計は427件で、前年を42件上回るハイペースを維持している。
上場企業で希望(早期)退職者の募集結果に関する発表が相次いでいる。今年に入って13社(一覧表)を数えるが、約半数の6社は応募者が100人を超える。なかでも最多は富士通で、応募者は3000人(国内グループ企業を含む)以上にのぼった。
希望(早期)退職者募集の動きがこのところ鈍化している。4~6月期に募集を発表した上場企業は5社にとどまり、前年同期(20社)の4分の1に減少し、1~3月(21社)比でもほぼ同様の結果となった。新型コロナウイルス感染の影響が長期化する中、人員合理化の流れが一巡したとの見方も出ている。
2019年12月のM&Aは前年同月と同数の77件だった。目立つのが大型M&Aの集中。昭和電工が9640億円を投じて日立化成を子会社化するのをはじめ、買収金額が1000億円超の案件は6件あり、このうち4件が年間ランキングのトップ10に入った。
年の瀬を迎えて、M&A市場が最高潮の盛り上がりを見せている。12月公表分だけで、年間ランキングのトップ10に入る大型買収案件が4件。買い手には昭和電工、アステラス製薬、いすゞ自動車、富士フイルムが並び、次点(11位)にHOYAが食い込む。
2016年度の上場製造業1,270社の平均年間給与は605万9,000円(中央値599万9,000円)で、前年度より3万9,000円(0.6%)増加。上場企業2,718社の平均給与598万円(中央値585万8,000円)と比べ7万9,000円上回り、好調な企業業績を反映している。
東京商工リサーチの調べによると、2017年3月期決算の上場企業2,430社の役員総数は2万8,465人。このうち女性役員は957人で、全体のわずか3.3%にとどまっている。
アステラス製薬がM&Aを通じて、がんや移植など成長領域の医薬品開発を加速しています。米バイオベンチャーなどを買収し海外収益を伸ばしつつ、相乗効果が見込めない事業は譲渡し資金効率を高めます。M&Aによる選択と集中の好事例と言えそうです。