日本M&Aレビュー
2019年第1四半期|フィナンシャル·アドバイザー
2019年1-3月期の日本関連M&A公表案件は、前年同期比59.9%減少の3.2兆円と2017年以降最低水準となった。1,000億円超の案件は8件、総額1.6兆円が公表され前年同期から80%の低下となった。全体の案件数は850件と、前年同期比25.4%減少したものの、過去10年でみると4番目の高水準であった。
ターゲット側の業種別でみると、不動産が7,1 05億円と全体の22.5%を占めて首位となった。続くハイテクノロジーは、4,781億円を記録し15.1%を占有した。
マーケット別でみると、最も活発だったのはIN-OUT案件で、2.2兆円と前年同期比35.3%の減少となったが、2010年以降で4番目の高水準であった。案件数は202件と、前年同期から7.3%低下となった。今期首位となったのは、ソフトバンクグループによるウィーワーク出資案件で、同案件は日本企業が関与する不動産案件において、1980年の集計開始以来歴代3位の規模となった。上位10位案件中、IN-OUT案件が8件を占め、そのうちソフトバンクが買い手となる案件が半数を占めた。日本は海外企業の買収国としては世界2位、中国は5位であった。
国内案件は、前年同期比76.3%減の8,105億円となり、過去10年でみると2017年に次ぐ最低水準となった。今期の国内最大案件は、KDDIによるカブドットコム証券買収案件で、上位10位案件にランクインした唯一の国内案件となった。
OUT-IN案件は、336億円と前年同期比40%の減少となり、2010年以降最低水準となった。OUT-INの首位案件は、ベインキャピタルによる廣済堂のMBO案件(225億円)であった。
完了案件は、前年同期比139.9%増となる12兆円、これには1月に完了した武田薬品工業によるシャイアー買収案件(8.4兆円)が寄与した。

2019年第1四半期(1~3月期)のTOBは15件で、前年同期(8件)のほぼ2倍となった。なかでもTOBを通じたMBO(経営陣が参加する買収)は4件と、前年の年間3件をすでに上回った。
2018年10月〜12月に東証適時開示で公表されたM&A案件を抜粋してご紹介します。
2018年のヘルスケア分野は2017年に比べ買収金額が急増した。武田薬品工業によるアイルランドの製薬会社シャイアの買収金額が日本のM&A史上過去最高の7兆円と高額だったためだ。
調剤薬局業界では「業界全体のM&A動向」が「個別の薬局経営」に大きな影響を与えている。きっかけは平成30年度の診療報酬改定(85%ルール)によるもので、大手の収益力が大きく制限された。
バーチャルデータルーム(VDR)を手がけるイントラリンクスが世界のM&A動向を予測した結果、2019年第1四半期のM&A件数は、アジア地域で前年同期比14%増と急増する見通しだ。
日本政策金融公庫は調査月報11月号に、宮永博史東京理科大学大学院経営学研究科技術経営専攻教授の論文「勝てるビジネスモデルを定義する-あの大企業はなぜダントツなのか-」を掲載した。
2018年7月-9月に発表されたM&A案件から抜粋してご紹介します。
ビルメンテナンス業界全体の売上高は、引き続き堅調に推移している。直近のビルメンテナンス業界のM&Aは、「国内の大手集約」「海外展開」「総合サービスの提供」「選択と集中」に特徴がある。
2018年1-6月期(上半期)の日本関連M&A公表案件は25.4兆円と、上半期ベース初の20兆円を突破し、すでに2017年の総額を超えた。今期首位の武田薬品工業によるシャイアー買収が寄与した。
太陽光売電事業者の買収ニーズが活発化している。固定価格買取制度初期の高い価格で売電する権利を持つ事業者は、今から売電事業を開始するよりもはるかに高い額で余剰電力を売ることができるからだ。