業界別M&A動向レポート [人材サービス業界]

~業界が活発化する一方で競争は激化 多くの事業者が事業拡大のため M&Aを活用~

1.業界分析

人材派遣業ー特定派遣の廃止により業界再編へ

政府は 2015年に派遣業界の労働環境改善を目指し、法改正に踏み切った。この法改正では、特定派遣事業を廃止し、すべて許可制に統一する許可基準改定が盛り込まれた。準委任契約など認可を得ない抜け道により、当初は予測されたほど急激な再編は起きなかった。

しかし近年になり、事業を継続的に展開できている事業者と、同業者や事業参入を目的とする異業種に買収される事業者とに二極化しつつあり、今後さらなる業界再編が進むと想定される。

人材紹介業ーエグゼクティブ分野が急伸

人材紹介業では高収入労働者向け転職サービスや経営顧問人材の紹介サービスなど、エグゼクティブ人材対象のサービスが急伸している。

その背景には 2つの市場変化があると推察される。

1つ目は、既存事業の枠を超えた新規事業にチャレンジする企業が増えたこと。新規事業を展開するため、外部からエグゼクティブ人材を獲得せざるを得なくなっている。

2つ目は、スタートアップ系企業が急増していること。スタートアップは、起業当初は事業をドライブする人材で立ち上がるが、事業が成長していくと組織をまとめたり、経営視点で戦略を考えたり、事業開発ができるエグゼクティブ人材が必要になってくる。これらのニーズに応えるため、各社が続々とエグゼクティブ人材サービスに参入しているようだ。