年の瀬を迎えて、M&A市場が最高潮の盛り上がりを見せている。12月公表分だけで、年間ランキングのトップ10に入る大型買収案件が4件。買い手には昭和電工、アステラス製薬、いすゞ自動車、富士フイルムが並び、次点(11位)にHOYAが食い込む。
東証「適時開示」ベースで、2018年10月の買収件数は69件と、8月(72件)に次ぐ今年2番目の高水準。最大案件は三菱UFJ信託銀行による豪資産運用会社の買収。J&Jは化粧品ブランド「ドクターシーラボ」のシーズ・ホールディングスを傘下に収める。
自動車部品大手のカルソニックカンセイはイタリアの同業大手マニエッティ・マレリを62億円ユーロ(約8060億円)で買収する。日本企業がかかわるM&A案件として今年2番目の規模。これを主導したのが米投資ファンドのKKRだ。
ルネサスエレクトロニクスが7330億円で米半導体メーカーのインテグレーテッド・デバイス・テクノロジーを買収する。買収金額は日本企業のM&Aとして今年2番目。1000億円超は今回のルネサスを含めて11件だが、10件は海外企業がターゲットだ。