ご注意ください
この記事は公開から1年以上経っています。掲載されている情報は、公開当時のものです。

【9月M&Aサマリー】2カ月連続で前年下回る61件|ソフトバンクGは英アームを4.2兆円で売却

alt
英アームを4.2兆円で売却するソフトバンクグループ(東京・芝浦の新本社前)で

キリン堂、338億円投じるMBOで非公開化

金額2位はMBO(経営陣が参加する買収)を通じて株式を非公開化するキリン堂ホールディングスの案件で、最大338億円。現経営陣と協力して米投資ファンドのベインキャピタルがTOB(株式公開買い付け)を行う。ドラッグストア業界の成長が鈍化する中、株価動向にとらわれず、大胆な事業構造改革をやりやすくする。

TOBはほかに2件あった。うち1件はMBOを目的とする川金ホールディングスで、買付金額は最大約77億円。家電量販店最大手のヤマダホールディングス(旧ヤマダ電機)は注文住宅のヒノキヤグループを子会社化する。約126億円で50.1%の株式取得を目指す。

「暮らしまるごと」を旗印とするヤマダはM&Aをテコに、住宅そのものやリフォーム、住宅設備など事業領域を急ピッチで広げている。

TOBを巡っては、NTTが約4.2兆円の巨費を投じて上場子会社のNTTドコモを完全子会社する発表(9月29日)があったが、こちらはグループ内再編であることから、今回の集計には含まれない。

「暮らしまるごと」を掲げ、M&Aを積極化するヤマダホールディングス(都内の店舗)

リース業界でオリックス追撃する大型合併

三菱UFJリースと日立キャピタルは2021年4月に合併することで合意した。合併新会社の総資産は10兆円超となり、三井住友ファイナンス&リース(約6兆3000億円)を抜き、業界首位のオリックス(約13兆円)に迫る。

現在業界3位の三菱UFJリースは総資産が約6兆3000億円。一方、日立キャピタルは総資産3兆7000億円の業界6位。両社は2016年に資本業務提携し、環境・エネルギーといった海外インフラ投資などで協業を進めてきた。新型コロナの影響でリース事業を取り巻く環境が厳しさを増す中、経営基盤強化に向けて統合に踏みだす。

ビーグリー、ぶんか社など5出版社を傘下に

出版分野で耳目を集めるM&Aがあった。ビーグリーが出版社5社を傘下に持つNSSK-CC(東京都港区)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。取得金額は約53億円。

5社の中核企業である、ぶんか社(東京都千代田区)は女性向け漫画・雑誌をはじめとする総合出版社で、売上規模は約45億円。NSSK-CCは投資ファンド、日本産業推進機構(東京都港区)の系列企業。

ビーグリーはコミック配信サービス「まんが王国」で知られるが、コンテンツ販売の強化とともに、成長が続く電子書籍市場での事業拡大につなげる。

◎9月:金額上位(10億円超)のM&A案件、HDはホールディングス

1 ソフトバンクグループ、傘下の英半導体設計大手アームの全株式を米半導体大手エヌビディアに売却(4.2兆円)
2 キリン堂HD、MBOを通じて株式を非公開化(338億円)
3 フェローテックHD、半導体ウエハー製造の中国子会社「杭州中欣晶圓半導体」を現地の地方政府などに譲渡(296億円)
4 ヤマダHD、注文住宅を主力とするヒノキヤグループの子会社化を目的にTOBを実施(126億円)
5 小林製薬、一般医薬品メーカーの米Alvaを子会社化(114億円)
6 川金HD、MBOを通じて株式を非公開化(76.8億円)
7 カナモト、建設機械レンタルなどの豪Porter Plant Groupを構成する持ち株会社と事業会社の計5社を子会社化(57億円)
8 ビーグリー、「ぶんか社」「海王社」など出版社5社を傘下に持つNSSK-CC(東京都港区)を子会社化(53億円)
9 SHIFT、ERP(統合基幹業務)システム導入・支援のホープス(東京都中野区)を子会社化(30.5億円)
10 NECキャピタルソリューション、NEC傘下の米販売金融会社NEC Financial Servicesを子会社化(26.3億円)
11 バンダイナムコHD、家庭用ゲームコンテンツ企画・開発のカナダReflector Entertainmentを子会社化(18.6億円)
12 フリービット、薬局向けサービス子会社のフリービットEPARKヘルスケア(東京都渋谷区)を日本事業承継アントレプレナーズ(東京都渋谷区)に譲渡(18.1億円)
13 MonotaRO、工業用間接資材販売のインドEmtex EngineeringからEコマース事業を取得(15.6億円)

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

M&Aをもっと身近に。

これが、M&A(企業の合併・買収)とM&Aにまつわる身近な情報をM&Aの専門家だけでなく、広く一般の方々にも提供するメディア、M&A Onlineのメッセージです。私たちに大切なことは、M&Aに対する正しい知識と判断基準を持つことだと考えています。M&A Onlineは、広くM&Aの情報を収集・発信しながら、日本の産業がM&Aによって力強さを増していく姿を、読者の皆様と一緒にしっかりと見届けていきたいと考えています。


NEXT STORY

過去の大型TOB一覧、「ドコモ」断トツの4.2兆円

過去の大型TOB一覧、「ドコモ」断トツの4.2兆円

2020/09/30

新型コロナ下、国内を舞台にまたもや超大型M&Aが持ち上がった。NTTは29日、4兆2544億円を投じて、携帯電話事業を手がける上場子会社のNTTドコモにTOB(株式公開買付け)を実施すると発表した。国内企業へのTOBとして過去最大規模だ。

関連のM&Aニュース